一方で、製品の種類は非常に多く、「どれを選べばよいかわからない」「導入しても定着するか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ビジネスチャットの基礎知識から、おすすめツール11選の比較、失敗しない選び方、そして社内に定着させるためのコツまでをまとめて解説します。導入検討の参考にしてみてください。

ビジネスチャット(ビジネスチャットツール)とは、社内やクライアントとのやり取りをチャットで行なえる、ビジネスに特化したチャットツールです。
チャットのため即時性があり、手軽に利用できるのがメリットといえるでしょう。会話のようにリアルタイムでのコミュニケーションができるため、コミュニケーションや情報共有の活性化のために導入する企業が増加傾向にあります。
ビジネスチャットツールでは、テキストでのチャットだけでなく、スタンプによるリアクションも可能です。また、チャット機能のほかにも多様な機能が搭載されています。
ビジネスチャットツールには、主に以下のような機能が搭載されています。
ビジネスチャットツールのメイン機能は、テキストによるチャットです。個人同士でチャットができるため、仕事の話はオープンな場であるグループチャットで行ない、個人情報や相談などは個別チャットを使うというように、使い分けている企業も少なくありません。
個別チャットのほか、グループでのチャットも可能です。部署やチーム、プロジェクトなどでグループを作成してチャットができるため、業務の進捗報告や相談、ノウハウ共有などができます。
ビジネスチャットツールの中には、テキストだけでなく音声チャットやビデオチャットができるツールもあります。音声やビデオでのやり取りは、テキストよりも意思疎通を図りやすい点がメリットです。音声・ビデオのチャット機能を使って、会議やミーティングの実施も可能です。
ビジネスチャットツールではファイル送信もできるため、WordやExcel、PDF、画像、動画などのファイルを共有できます。そのため、成果物を納品したり、クライアントへ提案資料を送ったりするなどの使い方もできるでしょう。
ツールによってはタスク管理機能が搭載されています。ビジネスチャットツール上でタスクの担当者や期日を設定できるため、リアルタイムで進捗確認や相談などをしながらタスクを進められるでしょう。

現在、電話やメールで社内コミュニケーションを取っている組織では、ビジネスチャットツールに切り替えるメリットがあるか疑問を感じている方もいるかもしれません。電話やメールとどのように異なるのか見てみましょう。
電話はリアルタイムでコミュニケーションが取れますが、電話をかけたときに相手が会議中や移動中だと電話に出られません。場合によっては、他者に迷惑をかける可能性もあるでしょう。
一方で、ビジネスチャットであればメッセージが送られてきた時すぐに確認できなくても、都合の良いタイミングで返信できます。電話よりも手軽な点がビジネスチャットのメリットです。
また、電話の場合は話した内容を記録できないため、「言った、言わない」問題や認識の違い、意図のすれ違いなどが起こりやすくなります。しかし、ビジネスチャットであればメッセージのやり取りが残るため、情報の蓄積という点でも電話と異なります。
メールもビジネスコミュニケーションでよく利用されているツールです。しかしビジネスメールにはマナーがあり、冒頭にあいさつ文と名乗りを入れたり、文末に締めの言葉や署名を入れたりするなど、1通のメールを作成するのに手間がかかります。
一方のビジネスチャットは会話形式でやり取りできるため、メールよりも手軽に用件を伝えられます。
さらに、メールでの連絡は、メルマガや顧客からのメールなどに埋もれてしまい、見落としのリスクも高くなるでしょう。また、人によっては「朝と夕方しかメールボックスを確認しない」という人もいます。そのため、返信の漏れ・遅れも起こりやすいといえます。
しかしビジネスチャットツールは宛先をメンションできるうえにリアルタイムのやり取りが基本となっているため、即時性があります。

ビジネスチャットツールの導入により、組織にどのようなメリットが得られるのか解説します。
ビジネスチャットツールを使うと、リアルタイムでコミュニケーションが取れるため迅速な情報共有が可能になります。グループチャットを使うと複数人に対して情報を伝えられるため、社内の情報共有が円滑になるでしょう。
情報共有が迅速になれば、リアルタイムで社内の状況を把握できるため、経営や戦略に関する重要な意思決定もスピーディになります。
ビジネスチャットは電話やメールよりも手軽に利用でき、会話形式でコミュニケーションを進められます。仕事の質問や相談がしやすくなるだけでなく、ちょっとした雑談をしたりスタンプでリアクションをしたりできるため、社内コミュニケーションの活性化につながるでしょう。
また、リモートワークや別拠点などで同じオフィスにいないメンバーともコミュニケーションを取ることができ、顔を合わせないメンバーとの関係性構築にも効果的です。
ビジネスチャットツールでは、やり取りの履歴が残るため情報が蓄積される点もメリットです。対応しなければならない連絡事項や、残しておきたい業務ノウハウ、顧客に送る資料など、重要なメッセージやファイルなどを一元管理できます。
また、検索機能を使うと、必要な情報にすぐにアクセスすることが可能です。過去のやり取りもさかのぼって検索できるのは、ビジネスチャットの大きなメリットとなります。
多くのメリットがある一方で、ビジネスチャットには導入前に押さえておきたい注意点もあります。あらかじめ対策を理解しておけば、導入後のミスマッチを防げるでしょう。
手軽にやり取りできる反面、メッセージの量が増えやすく、重要な連絡が日常的な会話に埋もれてしまうことがあります。確実に伝えたい内容はメンションやタスク化を活用する、重要事項は別途メールでも通知するなど、運用ルールを決めておくと安心です。
通知が多すぎると、かえって集中を妨げ、従業員の負担になりかねません。チャンネルごとに通知の要否を設定する、業務時間外の通知を控えるといったルールを整えると、ストレスを抑えながら活用できます。
導入しても現場で使われなければ、従来の電話・メールに戻ってしまい、投資が無駄になりかねません。定着には、導入目的の共有や利用シーンの提示が必須です。具体的な定着のコツは後述するので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスチャットツールは、情報共有やコミュニケーションの活性化に効果的です。ここからは、おすすめのツール10製品を紹介します。

チームワークアプリ「RECOG」は、メンバー同士のコミュニケーションを活発にする機能を備えています。
たとえば「トーク機能」では、個別もしくはグループでのチャットができ、直感的な操作性で手軽にコミュニケーションができます。また「レター機能」では、自社の行動規範や経営理念に則った行動をしたメンバーに対して感謝・称賛を贈ることが可能です。単なるビジネスチャットにとどまらず、称賛文化をつうじてエンゲージメントの向上も期待できるツールです。
「Slack」は、日本だけでなく世界的に多くの組織に導入されているビジネスチャットツールです。個別およびグループのチャットのほか、テンプレートの設定やワークフローの設計など、業務を効率化する機能も充実。外部ツールとの連携もでき、業務フローや組織体制に合わせて柔軟に活用できます。
国産のビジネスチャットツール「Chatwork」は、シンプルなUIで操作性の高さが魅力です。メッセージをタスク化できるため、対応の漏れ・遅れを防ぎたい組織にもおすすめです。まずはスモールスタートしたいという組織でも使いやすいよう、無料プランがある点も特徴です。
Microsoftが提供する「Teams」は、Microsoft 365に加入していれば追加料金なしで利用できるビジネスチャットツールです。PowerPointやExcelなどとのシームレスな連携も魅力なので、office製品を利用している組織にはメリットとなるでしょう。会議のメモ作成やチャットのハイライト生成など、AIによるサポートも豊富です。
日常的に利用している人も多いLINEを、ビジネス版に特化させた「LINE WORKS」。LINEのような操作性で利用できるため、圧倒的な手軽さが魅力です。チャットができるトーク機能だけでなく、スケジュール機能やアンケート機能、掲示板機能など、社内コミュニケーションを活性化する機能が充実しています。
「Google Chat」は、GoogleのグループウェアであるGoogle Workspaceに搭載されているビジネスチャットツールです。Googleが提供しているため、GoogleドライブやGoogleカレンダーなどと統合することでさらに利便性が向上します。プレミアム機能としてAIによる自動修正や要約も利用可能です。
国産ビジネスチャットツール「InCircle」は、日本企業に最適化した機能やセキュリティが特徴です。最大1万ユーザーに対してテキストメッセージ、画像、添付ファイルを送信できるため、大企業での利用にも向いているでしょう。人対人のチャットのみならず自社仕様のチャットボットも設計でき、迅速な情報アクセスや業務フローの効率化を実現します。
「WowTalk」は、チャット機能のほか掲示板機能や安否確認など、社内のコミュニケーションに必要な機能を搭載したクラウドツールです。ハラスメント相談や内部通報などにも使える匿名相談機能、ChatGPTを活用したオリジナル生成AIとの対話ができるAIチャット機能など、単なるビジネスチャットツールにとどまらない幅広い機能が魅力です。
「Talknote」は、テキストやスタンプ、音声データなどを使ったチャットができる社内コミュニケーションツール。ほかにも、共有事項を投稿できるノート機能や、期限・担当者を設定できるタスク機能なども搭載しているため、社内のコミュニケーションを集約できます。
クラウドだけでなくオンプレミスにも対応しているビジネスチャットツール「ChatLuck」。大容量のデータファイルにも対応しており、写真・動画だけでなくデザインデータや図面データなども扱えることから、あらゆる業界で活用されています。組織外のユーザーもグループに招待できるため、取引先や外注先とのコミュニケーションも可能です。
「Chatter」は、SFA「Salesforce」に組み込まれているビジネスチャットです。Salesforceに蓄積されている顧客データやタスクなどとシームレスに連携できるため、営業活動の効率化につながります。営業チーム内でのコミュニケーションに役立つため、属人化しがちな営業活動を一元管理して情報共有できます。

ビジネスチャットツールは国内外問わず多くの製品が提供されているため、どの基準で選ぶべきか悩む人もいるでしょう。ここでは、選定時に確認したいポイントを整理します。
機能が不足していたり、逆に多すぎて活かしきれなかったりする事態を避けるため、自社の導入目的に沿った機能を備えた製品を選びましょう。
製品が多く迷う場合は、自社が「何を重視するか」という用途タイプから絞り込むと選びやすくなります。
タイプをある程度絞ってから比較・検討すると、スムーズに選定を進められるでしょう。
コスト面も重要なポイントです。導入時の初期費用や毎月の月額料金のほか、オプション費用がかかる製品もあります。
料金体系も製品によって異なり、毎月定額のものと、利用人数に応じた従量課金制のものがあります。事前にどのくらいのコストがかかるか確認しておきましょう。
せっかく導入しても、使い勝手が悪く現場で利用が進まなければ、社内に定着せず失敗に終わりかねません。
このような観点から使いやすさを見極めましょう。導入前に、無料トライアルで実際の使用感を試してみるのも一案です。
利用していくうちに「使い方がわからない」「社内に定着しない」といった課題が生まれることもあります。そうしたときに頼りになるのが、ベンダーのサポート体制です。
導入支援だけでなく、運用中のサポートがあると安心でしょう。サポート内容は「メールのみ」という製品もあれば、「定期ミーティングを行なう」という製品もあるため、事前に確認してください。
ビジネスチャットツールでは、顧客や従業員の個人情報、自社の売上情報など、機密性の高い情報を扱います。そのため、セキュリティ面で不安のない製品を選ぶことが大切です。
セキュリティの機能や体制に加え、情報セキュリティの国際規格であるISO27001の取得有無も重要なポイントとなるでしょう。
他のツールと連携できると、活用の幅が広がり業務効率化につながります。データの入力ミスを防いだり、確認の漏れ・遅れを抑えたりする効果も期待できるでしょう。

ツールを選んだあとは、いかに現場へ定着させるかが重要です。定着に向けて押さえておきたいポイントを紹介します。
「何のために導入するのか」が曖昧なままでは、現場は使い方に迷ってしまいます。情報共有の迅速化なのか、コミュニケーションの活性化なのか、目的を明確にしたうえで、利用範囲や運用ルールをあらかじめ定めておきましょう。
一部の部署だけで先行利用すると、連絡経路が分断され、かえって混乱を招きやすくなります。導入時は全社一斉のスタートを基本とし、事前に「いつから」「何のために」使うのかを全社へ周知しておくことが望ましいでしょう。スタート時点から全員が同じ土俵に立つことで、自然なやり取りが生まれやすくなります。
新しいツールは、現場任せにすると定着しにくいものです。経営層や管理職が率先して発信・リアクションを行なうと、従業員も使いやすい雰囲気が生まれます。トップが活用する姿勢を見せることが、定着への近道といえるでしょう。

最後に、ビジネスチャットに関するよくある質問とその回答をまとめます。
ビジネスチャットはリアルタイムの会話的なやり取りを中心とするのに対し、グループウェアはスケジュール管理や文書共有、ワークフローなど、幅広い業務機能を統合した仕組みを指します。近年は両者の機能が重なる製品も増えており、明確な線引きは曖昧になりつつあります。
無料プランを用意している製品もあります。たとえばSlackやChatwork、LINE WORKSなどは無料で使い始められます。ただし、利用人数やメッセージ履歴の閲覧範囲などに制限がある場合が多いため、まずは無料プランや無料トライアルで試し、本格導入を判断するとよいでしょう。
多くのビジネスチャットツールでは、ゲスト招待などの機能により社外の取引先や外注先ともやり取りできます。社外連携を重視する場合は、外部ユーザーの招待可否やセキュリティ設定を事前に確認しておくと安心です。
製品によってセキュリティ水準は異なります。通信の暗号化やアクセス権限の管理、ISO27001などの認証取得状況を確認しておくと、安心して導入できます。機密情報を扱う組織ほど、セキュリティ機能を重視して選ぶことが望ましいでしょう。
気軽にやり取りができ、情報共有やコミュニケーションを促進できるビジネスチャットツール。電話やメールよりも即時性や手軽さに優れ、会話形式でやり取りできるため、社内のチームワーク強化に役立ちます。
本記事で紹介したように製品はさまざまな種類があるため、機能・コスト・セキュリティなどの観点から、自社の目的に合ったツールを選びましょう。また、導入後は全社への周知や経営層の率先利用によって、現場への定着を図ることが大切です。
コミュニケーションの活性化やエンゲージメント向上まで視野に入れるなら、称賛文化を育む「RECOG」もぜひ検討してみてください。