本記事では、社内SNSの概要だけでなく、おすすめのツールや成功した企業事例も紹介。社内SNSツールの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
社内SNSとは、チャットや投稿などSNSの機能を持ち合わせた、企業や部門などの組織内で利用されるビジネスツールです。普段から利用しているSNSと同じように手軽に利用でき、社内の情報共有を活性化したり企業理念を浸透させたりできる効果が期待できます。
ただし、運用面で工夫しなければ、せっかく導入しても「うざい」「ストレスだ」などと思われる要因にもなりかねません。社内コミュニケーションを活性化させるには、社内SNSを定着させる工夫をする必要があります。
社内SNSはどのような目的で導入されるのか、そしてどのようなメリットが得られるのか見ていきましょう。
コミュニケーションを活性化する
社内SNSにより、従業員同士がコミュニケーションを取りやすくなります。
従業員同士のコミュニケーションは組織を活性化させ、新たなアイデアやイノベーションを生み出す可能性を高めます。しかし、入社したての新入社員や部門が違う従業員だと、話しかけにくいことも多いでしょう。
社内SNSは手軽に利用できるため、対面でのやり取りよりもハードルが低いといえます。そのため、社内コミュニケーションを活性化させて職場環境を改善できるというメリットがあるでしょう。社内コミュニケーションの活性化により、従業員同士の相互理解を深めたり、エンゲージメントを高めて離職率を低下させたりする効果もあります。
社内コミュニケーションが活性化すると、情報共有が円滑になり業務効率化につながります。
たとえば、顧客への提案資料を作成する際、社内SNSを活用して先輩が作成した過去の資料を共有してもらえれば、提案資料の作成時間を大幅に削減できます。
また、社内で利用しているシステムの使い方がわからずに自分自身で調べていても解決しない場合でも、社内SNSを通じて情報システム部門へ問い合わせられれば、スピーディに疑問を解決できてすぐに業務を行なえます。
ナレッジや成功事例も社内SNS上で共有できるため、人材育成につながる期待もあります。
かつては従業員同士がオフィスで顔を合わせるのが一般的だったため、対面でのコミュニケーションが主流でした。しかし、その状況では外回りや在宅勤務などでオフィスを不在にしている従業員はコミュニケーションを取るのが難しく、情報共有が滞ったり、疎外感を抱いたりする一因にもなっていました。
しかし、社内SNSがあればオンラインでコミュニケーションを取れるため、オフィスで顔を合わせられなくても従業員同士の意思疎通ができるようになります。リモートワークや時短勤務、フレックスタイム制などの多様な働き方を実現するカギとなるでしょう。
社内SNSと一口に言っても、ツールによって機能は大きく異なるため自社に適したツールを選定する必要があります。どのようなタイプのツールがあるのかまとめたので、参考にしてみてください。
社内コミュニケーションを活性化するタイプの社内SNSツールには、以下のような機能が搭載されています。
「従業員同士のコミュニケーションが少ない」「職場環境をよくしたい」などの課題を持つ組織の場合は、社内コミュニケーション活性化を強みとするツールがおすすめです。
円滑な情報共有が強みの社内SNSツールに搭載されている機能の一例は、以下の通りです。
情報共有を促進して業務効率化を実現したい組織には、このタイプの社内SNSツールが適しているでしょう。
社内SNSツールをナレッジ共有に活用している企業も見受けられます。ナレッジ共有タイプのツールには、以下の機能が備わっています。
社内SNSツールを活用してナレッジ共有を実現することで、人材育成を促進して業務の品質を均一にできます。
社内SNSツールは複数のタイプに分かれており、各ツールによって特徴が異なります。自社に適したツールを選定する際のポイントや注意点を紹介します。
先述のように、社内SNSツールは「社内コミュニケーション活性化」「円滑な情報共有」「ナレッジ共有の促進」などのタイプに分けることが可能です。自社の目的にマッチしたツールでなければ十分な効果が得られないため、それぞれのツールの強みを理解して選定することをおすすめします。
まずは、自社のコミュニケーション課題を明確にし、どのようなタイプのツールが適しているのか検討することから始めるのがおすすめです。社内SNSに抵抗感を持っている従業員がいる場合にも、導入目的にマッチしたツールであれば共感を得られるでしょう。
使い勝手も重要な選定ポイントの一つです。せっかくツールを導入しても「操作性が悪い」「入力項目が多すぎる」「見にくい」など、従業員にとって不便なポイントがあると利用が促進されず、定着まで膨大な時間がかかる場合も見受けられます。
選定時には実際にツールを使う従業員も巻き込み、デモ画面を見たうえで懸念点などをヒアリングしたり、無料トライアルで使い勝手を試してもらったりするのがおすすめです。継続して使っていけると判断したツールを選ぶとよいでしょう。
ツールによって機能が大きく異なるため、自社にとって必要な機能が搭載されているか確認しなければなりません。自社の目的に応じてどのような機能が必要か洗い出し、その条件に当てはまっているツールを選びましょう。
社内SNSツールを選ぶ際には、現在社内で導入しているツールと連携できるかどうか、という点も重要です。別々のツールで同じようなデータを入力するのは従業員にとって手間がかかる上に、ミスを引き起こしかねません。ツール同士を連携できればデータも自動同期できるため、入力負荷が軽減され業務効率化につながります。
社内SNSツールでは、従業員の個人情報や顧客情報など、機密性の高い情報を扱う場面も多いでしょう。そのため、情報漏えいのリスクを考慮して、強固なセキュリティ対策がされていることは必須の条件です。
二段階認証やアクセス制限、データの暗号化のほか、ISO認証などを取得しているとさらに安心です。
無料で提供されているツールの中にはセキュリティ面に不安が残ることもあるため、慎重に検討しなければなりません。
社内SNSツールは、初期費用や毎月の利用料金がかかります。また、従業員が使い慣れるまでの期間が長いほど、ランニングコストとして計上できるコストもかかるでしょう。
利用料金が自社の予算にマッチしているか、スムーズに定着できるか、といった視点でツールを選定しましょう。
社内SNSとして活用できるツールは多岐にわたりますが、本章ではおすすめのツールを10製品紹介します。特徴を紹介していくので、選定時に活用してください。
チームワークアプリ「RECOG」は、チャット機能だけでなく、サンクスカード機能や社内掲示板機能も搭載。
サンクスカード機能とは、メンバーのサポートや成果などに対して感謝・称賛を贈ることができる機能で、モチベーションの向上や職場環境の改善、社内連携の強化などの効果が期待できます。RECOGは感謝・称賛を書いたレターを贈る際にポイントも付けられるという特徴もあります。
また、社内掲示板機能では、メンバーが自由に投稿することが可能です。たとえば、日報を投稿したり、ナレッジを共有したりするなど、自社に合わせた活用ができるというメリットがあります。
徹底した導入支援・運用支援により、スムーズな導入と確実な定着を目指せます。「ツールの乗り換えは初めて」という方でも安心して進められるよう、専任担当者が手厚く伴走します。
なお、詳細資料はこちらからダウンロードできるので、気になる方はぜひご活用ください。
「LINE WORKS」は、日常的に使われているコミュニケーションツールのLINEを、ビジネス版に特化したツールです。LINEと同じような使い勝手のトーク機能のほか、掲示板機能、カレンダー機能、タスク管理機能などさまざまな機能を搭載。LINEは普段から利用している人も多いため、LINE WORKSの導入ハードルは低く、スピーディに運用の定着が期待できます。
サイボウズが提供する「kintone」は、プログラミングスキルがなくても簡単に業務アプリを作成できるクラウドサービスです。一から作成しなくても、大量に搭載されているサンプルアプリを活用すると手軽に作成できます。たとえばFAQや日報、作業依頼申請などのサンプルアプリがあるため、自社にとって必要なアプリを選べばオリジナルの社内SNSを作成できるでしょう。
コミュニケーションツール「SONR」は、テーマごとのディスカッションボードやチーム間で利用できるカレンダーなど社内の情報共有に必要な機能を搭載しています。シンプルなインターフェースで簡単に操作でき、スピーディな情報共有が可能です。組織外のSONRユーザーとも情報共有できるため、クライアントや外注先などとコミュニケーションが取れるのもメリットです。
「Talknote」は、ノートやタスク、メッセージといった機能で社内のコミュニケーションを活性化させ、情報を社内の資産として蓄積できます。やり取りしている内容のデータを分析し、組織のコンディションをスコア化することも可能。スコアに基づいて専任担当者が具体的な改善策を提案してくれるため、組織のコミュニケーション課題の解決にもつながります。
簡単にマニュアルを作成して社内のナレッジを共有できる「NotePM」。誰でも簡単に操作できるため、業務フローやトークスクリプトなどのマニュアルを手軽に作成できます。マニュアル作成だけでなく、動画共有やファイル共有などの機能でさらに情報共有を促進。また、ページの閲覧履歴や変更履歴も蓄積されるため、無駄なコミュニケーションが削減されて効率化が可能です。
「TUNAG」は、自社に必要な機能をカスタマイズして搭載できるため、組織の課題に合わせた取り組みができるツールです。機能の一例には「社長メッセージ」「サンクスメッセージ」「日報」などがあります。社用メールアドレスがなくてもアカウントを作成でき、パソコンだけでなくスマートフォンからもアクセスできるため、アルバイトや業務委託など多様な雇用形態で利用できます。
Microsoftが提供する「Yammer」は、部署やプロジェクト、趣味などで作成したコミュニティ内でコミュニケーションできる社内SNSツールです。コミュニティ内では「会話」「質問」「称賛」「投票」といった機能を利用できるだけでなく、ファイルやリンクなどを追加して簡易的な社内ポータルサイトとしての利用も可能です。なお、Microsoftは「組織内で共有したいパブリックな内容はYammar、限定的に公開したい内容はTeams」というように使い分けをおすすめしています。
Googleの「Workspace」は、Gmailやmeet、Googleドライブ、Googleカレンダーなどのツールが含まれているグループウェアです。普段からGoogleのドキュメントやスプレッドシートなどを利用している企業にとっては、導入しやすいといえるでしょう。GoogleのAI「Gemini」も含まれており、プランによって高度なリサーチ機能を利用できます。
トーク、掲示板、サンクスなどの機能に追加し、オリジナルのAIチャット機能も利用できる「WowTalk」。管理者はメンバーや組織ごとに権限をカスタマイズでき、協力会社やアルバイトスタッフにもアカウントを付与できます。メンバーごとの連絡制限やメンバー情報非表示などもできる「パーティション機能」は特許を取得している技術です。
社内SNSツールを導入しても、社内に浸透せず失敗してしまうケースも少なくありません。そこで、社内SNSを成功させるポイントを紹介していきます。
社内SNSツールを導入する前に、テスト期間として必ず無料トライアルを試しましょう。ツールによって10日間や2週間などの期限であれば、無料で全機能を利用できるようになっています。その期間内に使用感を試してみて、使いやすさや機能などを確かめておくとよいでしょう。その際、実際に利用する従業員にも参加してもらうことで、より現場にフィットしたツールを選定できます。
また、最初から無料プランが提供されているツールを導入する際には、無料プランでできることを確認しておきましょう。無料プランでは機能や容量などに制限がある場合が多いため、有料プランへの移行タイミングを検討しておく必要があります。
従業員が社内SNSの導入目的やメリットを理解できていないと、利用が活性化せず盛り上がらなくなります。自社のコミュニケーション課題を挙げたうえで「なぜ導入するのか」「導入するとどのような効果が期待できるのか」を共有しておくと、従業員の当事者意識が高まって積極的に利用してくれるようになります。
社内SNSツールの利用を活性化させたいからといって、従業員に利用を無理強いしてはいけません。従業員の負担が大きくなると社内で反発を生み、利用率が低下しかねません。日々の業務に支障のない範囲で「チームで週に○件投稿する」「まずは日報を投稿してみる」など、負担のない運用ルールを設けましょう。また、投稿テーマを設定したり、利用率が高い従業員を表彰したりするなどの工夫も効果的です。
社内SNSツールを導入したとしても、従業員に運用を丸投げしてはいけません。社内の利用を促進するために、先頭に立って推進していく運用担当者を設置しましょう。運用担当者が、週次や月次で利用率を分析したり、利用が促進するようなアイデアを凝らしたりして、社内での定着を進めます。
ここからは、コミュニケーションツール「RECOG」を利用している企業の成功事例を紹介します。
NECネクサソリューションズ株式会社は、各チームからメンバーを集めて運営チームを結成し、定例会議を通じて利用率の分析や活性化案の策定などを行なっています。社内サークルの活動レポートや季節に合わせた投稿キャンペーンなどを行なって従業員の利用を促進させ、相互理解が大幅に進んだと感じているそうです。具体的には「コミュニケーション」「心理的安全性」「チーム間協働」の項目でRECOG導入前よりもスコアが上昇しており、今後はエンゲージメントスコアのさらなる引き上げを目指しているといいます。
富士フイルムワコーケミカル株式会社の広野工場では、RECOG導入にあたって管理職を対象にした「褒め研修」を実施したり、利用促進チーム「スマイルクラブ」を発足したりするなど、一丸となり積極的に取り組んでいます。取り組みのひとつである「自己紹介リレー」を始めたことで、普段まったく交流のない従業員同士のコミュニケーションや相互理解を促進。従業員のストレスチェックの結果にも変化が見られ、ポジティブな影響が出ているそうです。
株式会社晃商は、イベントの様子を発信したり、おすすめの書籍を聞いたりするなど、手軽なコミュニケーションツールとしてRECOGを活用しています。導入前は異なる事業部だと顔を合わせることもありませんでしたが、RECOGを通じて横のつながりが生まれているといいます。また、自分の行動や感謝・称賛されることで意識も変化していき、エンゲージメントスコアの向上にもつながっています。
SNSの利用率が高まっている現代では、ビジネスでもSNSを活用したいというニーズがあります。社内SNSは、SNSのような手軽さやカジュアルさを持ち合わせながら、ビジネス向きの機能が充実しているため、現代のビジネスパーソンにぴったりのツールといえるでしょう。
ただし成功させるためには、運用ルールの策定や推進する担当者の設置などの工夫が必要です。今回紹介した社内SNSの成功事例も参考に、自社に最適な運用を試してみましょう。
弊社では「初めて社内SNSを導入する」「社内のコミュニケーションを活性化したい」というご相談も承っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。