コラム

経営理念が浸透しない理由とは?浸透させるメリットや効果的な手法を解説

経営理念が浸透しない理由とは?浸透させるメリットや効果的な手法を解説

公開日: 2021.03.22
更新日: 2025.03.26
経営理念を従業員に浸透させることで、企業と従業員の意志や価値観の方向性がマッチし、企業の成長へとつながります。しかし、理念浸透は簡単なことではなく、課題を抱えている企業は少なくありません。

本記事では、企業理念の浸透における理由や、浸透させるための方法を紹介します。

List icon
もくじ
もくじを表示する

経営理念とは?

経営理念とは、創業者や経営者のビジネスに対する根本的な考え方や価値観のことです。企業が経営戦略を練る際、重要な判断を下す際などには経営理念ベースにします。企業の根本ともいえる経営理念ですが、世の中の流れや経営者の経験を踏まえて改変されるケースもみられます。経営者が替わるたびに経営理念を見直す企業もあり、ビジネス環境の変化にあわせて柔軟に変えてもよいものです。
 
経営理念の浸透が企業にとって重要な理由は?
世間や従業員に対する経営理念の浸透が重要な理由を、3つの観点から解説します。
 

企業イメージ向上のため

経営理念は、世間に企業の目標や考え方をわかりやすく伝える手段の1つともいえます。ユーザーに経営理念に共感してもらえると、企業イメージが向上します。
就職・転職活動中の人材に対しては、企業の特色を効果的にアピールできます。取引先の企業や消費者の賛同を得られれば、顧客獲得のチャンスも増えます。
 

エンゲージメント向上のため

従業員に経営理念が浸透すると、エンゲージメントが向上します。エンゲージメントとは企業の考え方に賛同した上で、従業員が組織に愛着を持ち、貢献することです。
エンゲージメントの向上は、組織全体の意思統一、従業員の自主性や業務の向上につながります。従業員に企業の一員としての自覚が生まれるため、厳格なマニュアルやルールがない企業運営も目指せるでしょう。
 

企業の成長を促進させるため

経営理念の浸透により従業員のエンゲージメントが高まると、全体的なパフォーマンスが改良されます。企業に対する愛着が増すため離職率が減り、優秀な人材が常に社内にいる状態を保てます。優秀な人材が高パフォーマンスで業務を行えば、企業の成長を促進できます。
 

理念が浸透していない企業は珍しくない

実際、理念浸透に課題を抱えている企業は少なくありません。
パーソル総合研究所が全国の正規雇用就業者を対象に行なった調査によると、企業が掲げる理念について「内容を十分理解している」は41.8%という結果になっており、理念を理解できている人は半数にも満たない結果となっています。
従業員視点の本調査で約60%が理念を理解していないということは、理念浸透ができていない企業が多いことを示唆しているでしょう。
 
 
経営理念が現場に浸透しない理由は?
多くの企業が、従業員への経営理念の浸透に苦戦しているとわかりました。次に、経営理念が現場に浸透しない理由を解説します。
 
 

経営理念が時代にあっていないため

経営理念はビジネス環境の変化により、時代にそぐわないものになってしまう可能性があります。会社創業時から経営理念が変わっていない場合は、現在の経営者本人や従業員の価値観とはギャップが生じている可能性が高いでしょう。
自社を取り巻く環境の変化により、経営の仕方や方針も変化します。経営理念が時代に合っていないことで、従業員の違和感や不満を生む原因となり、理念浸透が難しくなるのです。
 

経営理念の本意が伝わりにくいため

抽象的でつかみどころがない経営理念では、従業員やユーザーが「どのような企業で何を目指しているのか」が理解しにくいでしょう。企業の成長や売上向上を目的とするのであれば、誰もが理解できるわかりやすい経営理念が求められます。他企業の経営理念と似ていて特徴がないというケースも、経営理念の浸透は難しいといえます。
 

経営理念の制定が「ゴール」になっているため

経営理念をまとめただけでは、従業員に浸透しません。
企業のWebサイトに経営理念を掲載するだけではなく、経営理念を従業員に説明する機会を設けましょう。その際はただ押し付けるのではなく、なぜこの理念が必要なのかも伝えることをおすすめします。
 

経営理念と意味合いが似た3つの用語との違い

経営理念と関連する用語を区別しましょう。経営理念に似た3つの用語について解説します。
 
なお「行動指針」との違いについてはこちらの記事で触れているので、ぜひ参考にしてください。
 
 

社是・社訓

社是とは企業の経営上の方針・主張であり、社訓とは企業の一員として従業員が取るべき行動です。2つの用語は対象の範囲が異なり、社是は企業の枠を飛び越えた概念であるのに対し、社訓の対象は企業内に限られます。なお、社是・社訓と経営理念を同等とみなす企業もあります。
 

企業理念

企業理念と経営理念は、企業によっては区別しない場合もあります。ただ、経営理念が時代とともに変動するのに対し、企業理念は創業当初から変えない場合が多いようです。企業理念も経営理念も、どちらも企業にとって重要なものでしょう。
 

バリュー・ミッション・ビジョン

企業理念は「バリュー・ミッション・ビジョン」の3要素で構成されます。ミッションは企業の使命、ビジョンは企業が思い描く将来です。そしてバリューは、ミッションやビジョンを達成するための従業員の信念です。なお、バリュー・ミッション・ビジョンにスタイル(行動指針)が加わると経営理念になります。
 

経営理念を浸透させる手法

経営理念を円滑に浸透させるには工夫が必要です。そこで、本章では経営理念を浸透させる手法を紹介します。
 
 

経営理念をかみくだいて行動指針化する

経営理念として設定するだけではなく、わかりやすくかみくだき、行動指針として説明するとよいでしょう。従業員の業務に結びつくように、詳細な行動指針に置き換えて伝えてください。行動にうつしやすくなり、従業員にストレスを与えにくくなります。
 

経営理念を確認する機会を増やす

経営理念の重要性を従業員に理解してもらうには、理念を身近なものにする必要があります。新人研修、社内報、ポータル、朝礼などで経営理念について取り上げ、学ぶ機会を増やしましょう。理念浸透のために、経営層と従業員が対話をする機会をつくるといったやり方もおすすめです。
 

人事評価に経営理念をもとにした価値基準を取り入れる

従業員が経営理念をアウトプットしやすいように、人事評価に経営理念を踏まえた価値基準を取り入れましょう。従業員が取るべき、経営理念をもとに行動を明確にしておき、評価を行えば、従業員は積極的に理解しようとします。自身の評価につながるのであれば、経営理念の理解に向けモチベーションが上がるでしょう。
 
 
経営理念を浸透させる流れ
経営理念を浸透させるには、従業員の理解度を成熟させながら社内に展開していく必要があります。円滑に浸透させていくための流れを見ていきましょう。

 

1.経営理念の4つの要素を確認する

経営理念をミッション、バリュー、ビジョン、スタイルにわけ、それぞれの内容を整理しましょう。4つの要素を明確に区別できなければ、従業員に対して整合性のある説明ができません。
 

2.わかりやすい説明方法を考える

すべての従業員に経営理念を理解してもらうには、経営理念をわかりやすく伝えることが重要です。「経営理念」と聞くと難しそうなイメージを持つ人も多いので、かみ砕いてわかりやすく伝える方法を考えましょう。
創業当時の状況を物語形式にし、伝えてみてもよいかもしれません。企業風土も考慮して、従業員に受け入れられやすい方法を考えてみてください。
 

3.従業員に当事者意識をもってもらう

経営理念浸透のために研修を開催しても、一方的に説明するだけでは従業員に伝わりにくいでしょう。経営層と従業員の対話を取り入れるなど、双方向からのコミュニケーションが成立するように、従業員にも当事者意識をもってもらうとよいです。
 

4.経営理念を確認する仕組みを作る

経営理念を確認でき、理念に基づいた行動を推奨する仕組みを作りましょう。たとえばツールの活用が効果的です。
社内SNSや社内掲示板、ビジネスチャットなどに経営理念を掲示し、従業員が必要に応じて確認できるようにしましょう。
 
また、サンクスカード制度もおすすめします。サンクスカード制度とは、従業員同士が感謝・称賛のメッセージを送り合う制度で、称賛文化を根付かせ従業員のコミュニケーション促進やモチベーション向上に寄与する制度です。
経営理念に則った行動をした部下に対して上司や経営者からサンクスカードを送ったり、経営理念に則したバッジをサンクスカードに付けたりすることで、社内への浸透を図れるでしょう。
 

経営理念の浸透に成功した企業と成果を紹介

経営理念の浸透に成功すると、目覚ましい成果を得られます。経営理念の浸透に成功した企業と、成果を紹介します。
 

NECネクサソリューションズ

NECグループのNECネクサソリューションズ株式会社は、サンクスカードツール「RECOG」にグループの行動指針である「Code of Values」を組み合わせ、理念浸透を図りました。具体的には、サンクスカードに行動指針に基づくバッジをつけて送付することで、称賛される行動がどの行動指針に沿っているかと意識づけできるようになったそうです。
その結果、RECOG導入前後で比較すると「コミュニケーション」「心理的安全性」「チーム間共働」の3項目でサーベイが向上し、組織力の強化につながっているといいます。
 

スペクトラムブランズジャパン

海外のペット関連商品の輸入・販売事業を手掛けるスペクトラムブランズジャパン株式会社では、「会社としてカルチャーを変えていこう」という方針のもとで会社のビジョンや行動指針の浸透に着手しました。
RECOGでサンクスカードを送る際、ビジョンや行動指針に沿ったバリューバッジを付けるようにしたとのこと。「この称賛される行動は、どのビジョンや行動指針に基づくものだろう?」と考えることで、贈る人・贈られる人だけでなく、レターを見ている周囲の人にも自然と意識づけができたといいます。
 

まつだ内科

かかりつけ医として地域住民の健康を支える医療法人社団まつだ内科では、理念を具体化する「クレド」を作り、クレドを体現できた人に対してRECOGを使って感謝・称賛のメッセージを送っています。サンクスカードを送る側はどんな行動がクレドに基づいているか考えるようになったことで理解が深まり、サンクスカードを受け取る側は自分の行動がどのように経営理念やクレドと紐づいているのか理解できるようになったといいます。
RECOGの活用によってクレドに基づいて仕事をする従業員が増え、全員が足並みをそろえて仕事ができるようになったそうです。

 

理念浸透に活用できるサンクスカードツール「RECOG」

 

サンクスカードツール「RECOG(レコグ)」は、パソコンやスマートフォンなどから手軽に感謝の気持ちを伝えられるツールです。「仕事を手伝ってくれてありがとう」「受注おめでとう!」などの感謝・称賛を伝えることで、社内に称賛文化を醸成できます。

使いやすいインターフェースと手厚いサポートで、導入企業は1,500社以上にのぼりました。

RECOGは以下の機能が搭載されています。

  • 感謝・称賛を伝えるレター機能
  • 情報や日報を投稿できる投稿フィード機能
  • レターの送受信状況を可視化できる分析機能
  • レターの送受信件数のランキング機能

このほかにも組織を活性化できるこだわりが詰まっているので、詳細につきましては以下の資料をご確認ください。

News image
社内SNSで組織の課題を解決!
組織の課題をホメて解決するアプリ
RECOGをはじめて知っていただく方向けに基本機能や活用シーン、料金をまとめた説明資料をご用意しています。

 

まとめ

経営理念を浸透させるためには、理念をわかりやすく具体的なものにし、朝礼や研修などで積極的に話題に挙げることがポイントです。また経営理念をアウトプットする仕組みとしては、理念をベースにした人事評価基準や、社内表彰などが挙げられます。
理念浸透はすぐに実現できるものではなく中長期的な取り組みとなりますが、企業の成長には欠かせないため、本記事を参考にしてぜひ取り組んでみてください。
RECOGは、経営理念の浸透に効果的なチームワークアプリです。サンクスカードに独自のバリューバッジを付けることができるため、バリュー浸透プロセスに無理なくアプローチできます。バリュー実践度が自動で生成されるためバリュー実践者への表彰などへ活用できます。また、ピアボーナス機能にも対応しています。RECOGについては、まず無料の資料請求をお試しください。
 
人気の資料
Resource Image 1
Resource Image 2
RECOGご案内資料(完全版)
Resource Image 1
Resource Image 2
導入事例集 製造業界編
Resource Image 1
Resource Image 2
社内報ネタ30選
組織の課題を解決するアプリ、RECOG
RECOGは、メンバー同士の「感謝」「称賛」を通じてコミュニケーションを活性化するアプリです。 心理的安全性を高め、チームの活性化に貢献します。
RECOGは、メンバー同士の「感謝」「称賛」を通じてコミュニケーションを活性化するアプリです。 心理的安全性を高め、チームの活性化に貢献します。

お問い合わせ

詳しい機能や活用方法について、お気軽にご相談ください

お見積もり

お客様の状況に合わせ、お見積りをご用意します

無料トライアル

30日間の無料トライアルで、実際の機能をお試しいただけます