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経営理念が浸透しない理由とは?浸透させるメリットや効果的な手法を解説

経営理念が浸透しない理由とは?浸透させるメリットや効果的な手法を解説

公開日: 2021.03.22
更新日: 2021.03.22
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経営理念とは?

経営理念とは、創業者や経営者のビジネスに対する根本的な考え方や価値観のことです。企業が経営戦略を練る際、重要な判断を下す際などには経営理念ベースにします。企業の根本ともいえる経営理念ですが、世の中の流れや経営者の経験を踏まえて改変されるケースもみられます。経営者が替わるたびに経営理念を見直す企業もあり、状況や世相にあわせて柔軟に変えてもよいものです。
 
経営理念の浸透が企業にとって重要な理由は?
世間や従業員に対する経営理念の浸透が重要な理由を、3つの観点から解説します。
 

◾︎ 企業イメージ向上のため

経営理念は、世間に企業の目標や考え方をわかりやすく伝える手段の1つともいえます。ユーザーに経営理念に共感してもらえると、企業イメージが向上します。就職・転職活動中の人材に対しては、企業の特色を効果的にアピールできます。取引先の企業や消費者の賛同を得られれば、顧客獲得のチャンスも増えます。
 

◾︎ エンゲージメント向上のため

従業員に経営理念が浸透すると、エンゲージメントが向上します。エンゲージメントとは企業の考え方に賛同した上で、従業員が組織に愛着を持ち、貢献することです。エンゲージメントの向上は、組織全体の意思統一、従業員の自主性や業務の向上につながります。従業員に企業の一員としての自覚が生まれるため、厳格なマニュアルやルールがない企業運営も目指せるでしょう。
 
◾︎ 企業の成長を促進させるため
経営理念の浸透により従業員のエンゲージメントが高まると、全体的なパフォーマンスが改良されます。企業に対する愛着が増すため離職率が減り、優秀な人材が常に社内にいる状態を保てます。優秀な人材が高パフォーマンスで業務を行えば、企業の成長を促進できます。
 

経営理念が浸透していない企業は珍しくない

従業員への経営理念の浸透は簡単ではありません。経営理念が浸透している企業の割合を紹介します。

 

◾︎ 経営理念が浸透していると回答したのは全体の半分以下

HR総合調査研究所の2013年の調査によると、経営理念が浸透していると回答した企業は、全体の約40%と半分以下という結果でした。浸透が進まない理由としては、経営層の取り組み不足、従業員の帰属意識の希薄化などが挙げられます。
 
 
経営理念が現場に浸透しない理由は?
多くの企業が、従業員への経営理念の浸透に苦戦しているとわかりました。次に、経営理念が現場に浸透しない理由を解説します。
 
 

◾︎ 経営理念が時代にあっていないため

経営理念は世相の変化により、時代にそぐわないものになってしまう可能性があります。特に、会社創業時から経営理念が変わっていない場合は、現在の経営者本人や従業員の価値観とはずれてきている可能性が高いでしょう。経営者の交代に伴い経営理念も改める企業は少なくありません。たとえば、2021年現在ではワークライフバランスを重視した経営理念にするなど、適時経営理念を見直してください。
 

◾︎ 経営理念の本意が伝わりにくいため

抽象的でつかみどころがない経営理念では、従業員やユーザーが「どのような企業で何を目指しているのか」が理解しにくいでしょう。企業の成長や売上向上を目的とするのであれば、誰もが理解できるわかりやすい経営理念が求められます。他企業の経営理念と似ていて特徴がないというケースも、経営理念の浸透は難しいでしょう。
 

◾︎ 経営理念の制定が「ゴール」になっているため

経営理念をまとめただけでは、従業員に浸透しません。企業のWebサイトに経営理念を掲載するだけではなく、経営理念を従業員に説明する機会を設けてください。その際はただ押し付けるのではなく、なぜこの理念が必要なのかも伝えるとよいでしょう
 

経営理念と意味合いが似た3つの用語

経営理念と関連する用語を区別しましょう。経営理念に似た3つの用語について解説します。
 

◾︎ 社是・社訓

社是とは企業の経営上の方針・主張であり、社訓とは企業の一員として従業員が取るべき行動です。2つの用語は対象の範囲が異なり、社是は企業の枠を飛び越えた概念であるのに対し、社訓の対象は企業内に限られます。なお、社是・社訓と経営理念を同等とみなす企業もあります。
 

◾︎ 企業理念

企業理念と経営理念は、企業によっては区別しない場合もあります。ただ、経営理念が時代とともに変動するのに対し、企業理念は創業当初から変えない場合が多いようです。企業理念も経営理念も、どちらも企業にとって重要なものでしょう。
 

◾︎ バリュー・ミッション・ビジョン

企業理念は「バリュー・ミッション・ビジョン」の3要素で構成されます。ミッションは企業の使命、ビジョンは企業が思い描く将来です。そしてバリューは、ミッションやビジョンを達成するための従業員の信念です。なお、バリュー・ミッション・ビジョンにスタイル(行動指針)が加わると経営理念になります。
 

経営理念を浸透させる手法

経営理念を円滑に浸透させるには工夫が必要です。経営理念を浸透させる手法を紹介します。
 
 

◾︎ 経営理念をかみくだいて行動指針化する

経営理念として設定するだけではなく、わかりやすくかみくだき、行動指針として説明するとよいでしょう。従業員の業務に結びつくように、詳細な行動指針に置き換えて伝えてください。行動にうつしやすくなり、従業員にストレスを与えにくくなります。

 

◾︎ 経営理念を確認する機会を増やす

経営理念の重要性を従業員に理解してもらうには、理念を身近なものにする必要があります。新人研修、社内報、ポータル、朝礼などで経営理念について取り上げ、学ぶ機会を増やしましょう。理念浸透のために、経営層と従業員が対話をする機会をつくるといったやり方もおすすめです。

 

◾︎ 人事評価に経営理念をもとにした価値基準を取り入れる

従業員が経営理念をアウトプットしやすいように、人事評価に経営理念を踏まえた価値基準を取り入れましょう。従業員が取るべき、経営理念をもとに行動を明確にしておき、評価を行えば、従業員は積極的に理解しようとします。自身の評価につながるのであれば、経営理念の理解に向けモチベーションが上がるでしょう。
 

経営理念の浸透に成功した企業と成果を紹介

経営理念の浸透に成功すると、目覚ましい成果を得られます。経営理念の浸透に成功した企業と、成果を紹介します。
 

◾︎ 全日本空輸株式会社

全日本空輸株式会社経営理念:安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します
 
 
全日本空輸株式会社では、従業員に経営理念の本質を理解してもらうべく「ANA Book」をグループ全社員に配布しています。経営理念の浸透のため「ANA’s Day」研修を定期開催し、グループ行動指針である「ANA's Way」について学びます。研修では講師の話を聴くだけでなく、あらゆる部門の参加者との対話を通じ、部門の垣根を超えた交流が可能です。

 

◾︎ 株式会社LIFULL

株式会社LIFULL経営理念:常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る
 
 
株式会社LIFULLでは採用基準を見直し、従来のスキル重視よりも、経営理念にマッチした人材を採用するように変更しました。また、経営理念実現に向けた事業アイデアを募集する「SWITCH」制度や、経営理念の理解度をみるテストを取り入れるなど、理念のアウトプットができる機会を設けています。

 

◾︎ スターバックス コーヒー ジャパン株式会社

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社では、コーヒーの淹れ方などの実務よりも、スターバックスの歴史や経営理念を優先して従業員を教育します。経営理念の浸透により、従業員の自主性が育ちました。同社には接客マニュアルはありませんが、従業員自身が的確な判断を行い、行動できるレベルにまで成長しています。
 
 
 
経営理念を浸透させる流れ
経営理念を円滑に浸透させるには工夫が必要です。経営理念を浸透させる手法を紹介します。

 

 

◾︎ 1.経営理念の4つの要素を確認する

経営理念をミッション、バリュー、ビジョン、スタイルにわけ、それぞれの内容を確認しましょう。4つの要素を明確に区別できなければ、従業員に対して整合性のある説明ができません。

 

◾︎ 2.わかりやすい説明方法を考える

経営理念をわかりやすく伝える方法を考えましょう。創業当時の状況を物語形式にし、伝えてみてもよいでしょう。企業風土も参考にして、従業員に受け入れられやすい方法を模索してください。

 

◾︎ 3.従業員に当事者意識をもってもらう

経営理念浸透のために研修を開催しても、一方的に説明するだけでは従業員に伝わりにくいでしょう。経営層と従業員の対話を取り入れるなど、双方向からのコミュニケーションが成立するように、従業員にも当事者意識をもってもらうとよいです。
 

◾︎ 4.経営理念を確認する仕組みを作る

経営理念を確認でき、理念に基づいた行動を推奨する仕組みを作りましょう。たとえば「サンクスメッセージ制度」が有効です。サンクスメッセージ制度とは、従業員同士がお互いを褒めあうもので、アプリなどを通じてメッセージをやり取りします。サンクスメッセージ制度を採用すると、経営理念の浸透に加え、職場環境の良化も期待できます。
 

まとめ

経営理念を浸透させるためには、理念をわかりやすく具体的なものにし、朝礼や研修などで積極的に話題に挙げることがポイントです。また経営理念をアウトプットする仕組みとしては、理念をベースにした人事評価基準や、社内表彰などが挙げられます。RDCOGは、経営理念の浸透に効果的なチームワークアプリです。サンクスカードに独自のバリューバッジを付けることができるため、バリュー浸透プロセスに無理なくアプローチできます。バリュー実践度が自動で生成されるためバリュー実践者への表彰などへ活用できます。また、ピアボーナス機能にも対応しています。RECOGについては、まず無料の資料請求をお試しください。
 
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