雰囲気の悪い職場はなんとなく雰囲気が重いだけではなく、働きづらい環境で仕事量も多く、心身ともにストレスを感じることが多いものです。
上司との関係が悪かったり成果を評価されなかったりするとモチベーションも下がり、「辞めたい」と思ってしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、雰囲気が悪い職場の特徴や原因、会社へ及ぼす影響に加えて、雰囲気を良くするための改善策について解説します。
雰囲気が悪い職場の特徴
雰囲気が悪い職場には、ある程度共通した特徴が見られます。主な特徴として、以下で解説する4つが挙げられます。
業務量が多く従業員が疲弊している
日常的に膨大な量の仕事を抱えている、残業や休日出勤が常態化しているなど、一人ひとりが担当する業務量が多すぎると、従業員は疲弊してしまいます。
多すぎる業務は終わりが見えず、精神的に追い詰められてしまうと心身ともに疲弊して残業や休日出勤が増えるなどの悪循環に陥ってしまうでしょう。疲労が蓄積すると余裕がなくなりギスギスしやすく、職場での雰囲気もおのずと悪くなってしまいます。
正当な評価がされていない
業績や成果に対する正当な評価は、従業員のモチベーションを高める要素です。
反対に、頑張っていてもきちんと見てもらえない、業績や成果を出した本人に正当な評価がされずに上司の手柄になるなど、不当な評価ばかりが続くとモチベーションが下がり、業務に対する目標も失いかねません。どんなに頑張っても評価されない状況が続くと不満が蓄積するため、職場の悪い雰囲気につながってしまいます。
過度な緊張感やストレスがある
達成が困難だったり実力に見合った内容ではない目標やノルマが設定されていると、無理な業務が増えてしまいストレスの原因となる可能性があります。
また、絶対にミスが許されないような環境の職場では過度な緊張感が生まれてしまうこともストレスの原因となり、職場の雰囲気を悪くしてしまうでしょう。
パワハラやいじめがある
雰囲気が悪い職場では、常態化したパワハラやいじめが多く見られます。特に上司からのパワハラは職場の雰囲気を悪化させる最大要因の1つであり、直接暴力を受けることもあれば暴言や脅しなど言葉で精神的なダメージを与えられることもあるでしょう。
同僚同士でも、陰口や嫌がらせなどのいじめがあるとストレスとなり、心身に悪影響を及ぼします。もし、現時点では自分自身に被害がないとしても、他の従業員がターゲットになっている場合、次は自分がターゲットになるかもしれない、と追い詰められることがストレスになることもあります。
職場の雰囲気が悪くなる原因
職場の雰囲気が悪くなる原因は、前述の特徴に関わる要素が多く見られます。そこで具体的に、職場の雰囲気が悪くなる原因について解説します。
雰囲気を悪くする人がいる
職場で一緒に働く上司や同僚、後輩の中に、雰囲気を悪くする原因となる人物がいることは少なくありません。
例えば、愚痴や悪口、陰口などが多い人の言動は、同じ職場で目にしてしまうものです。他の人は決して悪いことは言わないとしても、このようなネガティブな人が1人職場にいるだけでも雰囲気は悪くなってしまいます。
悪いことを聞くだけでモチベーションは下がり、自分に対しても悪口を言っているのではないかと疑心暗鬼になってしまうことも、職場の雰囲気を悪くする要因です。
コミュニケーションが不足している
職場の雰囲気が悪くなる原因の多くは、人間関係が占めているといわれます。従業員同士で十分なコミュニケーションを取れる職場では、連絡や相談もマメにできるのでスムーズに業務を進められるでしょう。
しかし、従業員同士のコミュニケーションが不足している職場では気軽に話ができる環境ではなく、業務上必要な連絡もしにくくなってしまい、必要な情報の共有がうまくいかなくなります。その結果、業務に支障をきたしトラブルに発展する可能性が高くなります。
また、コミュニケーションが不足している職場では職場内で意見を言うことも難しく、従業員同士の協力が得られにくいこともあるため、業務がうまく進まずに雰囲気が悪くなってしまうでしょう。
過重労働が続いている
担当する業務があまりにも多すぎる、または能力に見合った業務ではない場合、仕事量が膨大になり過重労働につながります。
また、コミュニケーション不足に通ずる原因ですが、従業員同士で協力し合えば終わる業務も一人のみで担当しなければならない状態では負担が大きくなるでしょう。
あまりにも業務が多すぎて終わりそうにない状態が続き、労働時間が長くなる労働環境は、モチベーションの低下を招いて雰囲気を悪くしてしまいます。
雰囲気の悪い職場が組織に及ぼす悪影響
雰囲気の悪い職場は、働く従業員に悪影響があるのはもちろん、会社全体への悪影響が考えられます。
離職率が上がり人材不足になる
雰囲気が悪い職場で「働き続けたい」と希望する人は多くはありません。当然ながら、離職を考える従業員が増えるでしょう。
離職率が上がると人材不足の状況に陥り、ますます一人あたりにかかる業務負担が大きくなることが考えられます。
人員を確保したとしても、他の従業員が業務に追われて十分な教育ができないと人材も育たないので、過重労働の状況改善は見込めないでしょう。
ただでさえ多忙な従業員が新入社員の教育も担当することでますます負担が増え、離職者が増える悪循環になる可能性も高くなります。
従業員エンゲージメントが低下する
雰囲気が悪い職場はコミュニケーションも不十分な環境が多いので、業務は単純に上司の指示に従うだけというケースに陥りがちです。
仕事ではミスをすることで新たに学ぶ機会が得られるものですが、ミスを許さない雰囲気のある職場では「ミスをしないように」とばかり考えながら業務にあたるので、成長する機会がありません。
その結果、従業員に成長する機会を与えられず、従業員エンゲージメントが低下する恐れもあります。
生産性が低下し業績が落ちる
雰囲気が悪い職場が及ぼす悪影響は、会社全体へも大きな影響を与えます。
従業員エンゲージメントが高く意欲的に働ける職場なら、従業員一人ひとりが成長しながら業務に取り組むので生産性を上げられて、業績アップにつなげられます。
一方で、雰囲気の悪い職場は意欲的に働くことができなかったり、従業員への負担が大きい状態が続きます。
このような職場では、十分な成果を得られないことが多く、結果的に生産性が落ちて業績悪化につながってしまうでしょう。
雰囲気が良い職場の特徴
雰囲気が良い職場は、ここまでご紹介した雰囲気の悪い職場と対照的な特徴を持ちます。
ここでは、主な特徴を4つご紹介します。
互いを認め合い尊重している
雰囲気が良い職場は、従業員同士がお互いを認め合い、尊重している特徴があります。このような職場では、従業員が成果を出したときは褒めたり認めたりすることができ、自分自身が成果を出したときも褒めてもらえるでしょう。
また、このような職場は、従業員同士で協力や相談をしやすい環境も整いやすくなります。
風通しがよく互いに自分の意見や考えが受け入れられやすい環境は従業員のモチベーションもアップし、意欲的に仕事に取り組めるようになるので、個人や部署、会社単位で業績アップに寄与するでしょう。
情報共有や周知がスムーズに行なわれている
情報共有は仕事をする上での基本ですが、前述したように情報共有がきちんとできていない職場は雰囲気も悪くなってしまいます。
逆に、従業員同士や組織内で必要な情報共有や情報周知がスムーズな職場は、進捗の把握や業務上の不明点を解消しやすくなります。
従業員同士で協力しやすい環境になるので、もしトラブルが発生した場合でも、情報共有ができていれば周囲の従業員がフォローし、トラブル解決ににつなげられます。
意見やアイデアが活発に出る
雰囲気が良い職場は、従業員同士でのやり取りがスムーズで、変に遠慮する雰囲気もないので、比較的自由な意見やアイディアが活発に出る点も特徴です。
相談や意見をしにくい雰囲気の悪い職場と比較すると、さまざまな意見やアイディアを聞き、場合によっては採用してもらえる環境となるので、裁量を持てる従業員も多く、一人ひとりが主体性を持って仕事に取り組めます。
コミュニケーションが円滑に取れている
ここまで解説した特徴すべてに共通するといえるのが、コミュニケーションが円滑に取れているという点です。会社にはさまざまなタイプの人がいるので、コミュニケーションを十分に取れていないと情報共有がうまくいかなくなるばかりか、意見の相違も起きがちです。
ミスや困りごとが起こった際も、上司や同僚などに相談できれば、速やかに解決できるはずです。役職や立場にかかわらず、しっかりと円滑なコミュニケーションが取れる職場は、雰囲気がよくなります。
職場の雰囲気をよくするための改善策とは?
雰囲気の悪い職場は、従業員の心身に影響が出たり離職者が増えたりする、会社にとって深刻な労働環境となる原因です。仕事をしやすい環境を整えるには、職場の雰囲気を改善するべきです。
では、職場の雰囲気を改善するにはどのような策を講じればいいのでしょうか。
まずは以下でご紹介する3つのポイントをチェックしてみましょう。
適切な目標設定をする
職場の雰囲気をよくするには、まず従業員一人ひとりの能力に応じた適切な目標を設定しましょう。これは、従業員の疲弊を防ぐためです。能力や実力と合わない無理な目標やノルマが設定されていると、過重労働につながります。残業や休日出勤が増えることによって従業員からの不満が募り、心身ともに追い詰められる原因となります。実力と見合わない目標やノルマの設定をしないためにも、適切に目標を設定することが求められます。
同時に、従業員に十分休息を取らせることも必要です。繁忙期に業務が増えてなかなか休みが取れなかった場合でも、繁忙期後に適切に休みを取らせることで、雰囲気が悪くなることを防げます。
業務を可視化する
日々の業務を可視化すると、内容が把握しやすくなるため正当な評価につながります。可視化することで他の従業員の進捗状況なども把握し、協力し合える環境にもなるでしょう。
業務の可視化には、社内でミーティングを行ない逐一部署やチームの進捗状況を把握する方法に加えて、ツールを使う方法があります。社内システムを使用して業務を可視化するほか、日報やサンクスカードを書いて可視化する方法もあります。
従業員が相談しやすい環境をつくる
円滑なコミュニケーションを取るには、信頼関係の構築が重要です。同僚はもちろん、上司や部下と縦と横の信頼関係を構築できていればお互いに相談しやすい環境となります。
社内SNSやグループチャットでコミュニケーションを取るのも一案です。
話しやすい環境が作れれば相談もしやすくなり、業務をスムーズに進められるようになるでしょう。
まとめ
雰囲気の悪い職場は、従業員が居づらいだけではなく業務にも支障をきたすことが考えられます。過重労働によって離職率が上がってますます従業員への負担が増え、場合によっては従業員の心身にも悪影響を及ぼすため、従業員の定着率悪化を防ぎ業務効率をアップさせるためにも、悪い雰囲気は改善するべきです。
もし社内の雰囲気が悪いと感じているのであれば、今回解説した改善策を参考に改善策を検討してみてはいかがでしょうか。