社内のコミュニケーション不足がきっかけで、職場にはネガティブな影響が及ぶ可能性があります。どのような影響が懸念されるのか、具体的に見ていきましょう。
社内コミュニケーションが不足している職場では、報告・連絡・相談が疎かになり情報共有が滞りやすくなります。
コミュニケーション不足の職場では、わからないことがあっても気軽に質問や確認ができる雰囲気ではありません。正確な情報が伝達されないために誤った認識で業務を進めてしまったり、誰かがミスをしても気づかないためフォローできなかったりするなど、業務の質が低下して大きな支障を引き起こします。
チーム内だけでなく、ほかの部門や拠点との連携もしにくくなるため、会社全体へ影響を及ぼしかねません。
社内のコミュニケーション不足は、情報共有や社内連携の弊害となるため、顧客からの信用を失う結果を招く可能性があります。たとえば、以下のような状況が起こりえると考えられます。
このようなことが頻発すると、次第に顧客からの評判が下がっていき、企業イメージに傷がつくでしょう。
コミュニケーション不足の職場は業務に支障をきたすだけでなく、従業員同士の信頼関係が築けません。その結果、従業員は大きなストレスを抱えることになり、モチベーションの低下を招くでしょう。
人間関係が悪化した職場では、誰かと協力して業務を進めたり、先輩からノウハウを教えてもらったりすることもできないため、一人ひとりのスキルアップも期待できません。
そうした職場では従業員のエンゲージメントも低下していき、多くの離職を引き起こしてしまいます。せっかく人材を採用して研修をしても、すぐに辞めてしまっては採用コストも教育コストも膨大になるでしょう。
従業員同士がお互いを気にしなくなるために、ミスのみならずコンプライアンス違反にも気づけなくなります。
コミュニケーションが盛んな職場では、お互いの業務内容を把握しており、些細なことでも報告や相談ができる環境です。しかしコミュニケーションが不足していると、嘘や隠し事があっても気づけません。コンプライアンス違反の事案が起きていても発見が遅れてしまい、大きな事態へと発展してしまう可能性があります。
そもそも、社内のコミュニケーション不足はなぜ起こるのでしょうか。社内コミュニケーションに影響を与える原因を解説します。
上司や経営陣と、現場で働く従業員の会話の機会が少なく、立場を超えたコミュニケーションが不足している企業は珍しくありません。上司が忙しそうにしていて話しかけにくかったり、そもそも経営陣と顔を合わせる機会がなかったりすると、現場からの相談や報告が届きにくくなります。その結果、上層部は「現場の状況を把握できない」「現場に指示が伝わらない」などのトラブルが起きやすくなるのです。
また、上司・経営陣が明確な戦略やビジョンを持っていても、全社集会や部門会議などで一方的に情報を発信していると、双方向のコミュニケーションは生まれません。従業員の意見も取り入れられるよう、コミュニケーションの場を作る工夫が必要です。
部門が異なると顔を合わせる機会がなくなり、情報共有が不足しがちになります。業務で関わることのない分同士だと、なおさらコミュニケーションが取りにくいでしょう。
部門間のコミュニケーション不足が加速すると、お互いの業務内容や役割分担などの相互理解が進まないため、連携が取れません。たとえば、「マーケティング部門が獲得したリード情報を営業部門にうまく引き継げず、対応の遅れが生じる」「経理部門への営業部門からの請求書発行依頼が漏れてしまい、請求が遅れてしまった」などは、部門間連携でよくある失敗事例です。
そもそも心理的安全性が低い職場だと、積極的に話しかけようという気持ちにもなれず、コミュニケーション不足を引き起こしかねません。
心理的安全性が高いと、お互いの信頼関係や相互理解が深まっているため、どんな意見でも発言しやすくなります。一方、心理的安全性が低い職場では、意見やアイデアを伝えても「嫌われるのではないか」「否定されるのではないか」という意識になり、発言を控える傾向にあります。
コミュニケーションを取りにくい・取るのを避ける職場では、業務以外の何気ない会話や雑談、悩みの相談がしにくい環境のため、従業員のエンゲージメントも低下していくでしょう。
テレワークを導入している企業や外出の多い職種などは、ツールで社内とコミュニケーションを取ることも多いでしょう。たとえば、手軽にやり取りできるビジネスチャットや、オンラインで会議ができるビデオ会議ツールなどがあります。しかし、そうしたツールが整備されていないと、非対面のコミュニケーションを阻害する要因となります。
コミュニケーション不足を引き起こす原因は多岐にわたりますが、適切な方法で対策を取れば社内コミュニケーションの活性化が可能です。コミュニケーション不足を解決することで、以下のようなメリットが期待できます。
コミュニケーションが活性化すると、人間関係が良好になり働きやすい職場になります。気軽に話し合える雰囲気になるため、仕事での悩みを相談しやすくなるため離職の防止にもつながるでしょう。
また、心理的安全性が低い職場では上司が部下に気を遣って指示を出せないこともありますが、コミュニケーションが活性化した心理的安全性の高い職場では、上司が的確なアドバイスや指示を出しやすくなります。部下のスキルアップにつながり、モチベーションや従業員満足度が向上するでしょう。その結果、自社に対するエンゲージメントが高まり離職率低下が見込めます。
コミュニケーション不足が解決した職場は、従業員同士のフォロー体制が築けるようになり、ミスやトラブルの削減が可能です。スピーディな情報共有により、作業の進捗も円滑になるでしょう。
また、先輩や上司のノウハウも共有できるため、従業員の業務に対する理解度や知識が深まります。一人ひとりがスキルアップすることで、組織全体の作業効率が向上して生産性アップにもつながります。
心理的安全性の高い職場は、「アイデアを言ったら批判されるかもしれない」「別の意見を言ったら嫌われるかもしれない」という心配がなくなり、お互いに忌憚なく意見を言い合える環境です。多様な意見やアイデアで、社内のイノベーションが促進されるでしょう。
上司・部下や部門間のコミュニケーションが活発になるため、仕事に慣れてしまった上司では見つけられなかった気づきや、違う部門の視点からの意見から、新たなアイデアが生まれて企業の成長が促されます。
コミュニケーション不足の解消により、職場の心理的安全性が高まって離職防止や生産性向上などの効果が見込めます。それでは、どのように解決していくとよいのでしょうか。5つの解決策を紹介します。
上司と部下による1on1ミーティングの時間を設けましょう。定期的に実施することで、コミュニケーションを促進していけます。
1on1ミーティングは1対1で行なうため、部下はほかのメンバーに聞かれたくないような「今後のキャリアの相談」や「業務上の悩み」、「会社に対する不満」などの内容も話しやすくなります。上司は部下の話に傾聴する姿勢を取ると、部下が普段は言えないような内容も聞き出すことが可能です。
また、1対1の環境のため、上司は部下を褒めたり称賛したりしやすいのもメリットです。大勢のメンバーがいる場で褒めると「えこひいきだ」「あの人ばかり褒められている」などトラブルの種になることもありますが、1対1であればそうした心配もなく、ポジティブなフィードバックを伝えられます。
メンター制度も、コミュニケーション不足の解決策のひとつです。
メンター制度とは、先輩社員が「メンター」、後輩社員が「メンティ」となり、メンターがメンティの指導やアドバイス、キャリアサポート、悩み解決などを行なう制度です。特に、入社したばかりで不安を抱えている新入社員や、仕事につまずいている若手社員にとって、頼れる存在のメンターがいることは精神的な支えになるでしょう。
メンターとメンティの信頼関係をきっかけに、社内全体のコミュニケーション活性化が期待できます。
社内イベントの開催は、部門や役職を超えて交流できるため、全社横断的なコミュニケーション活性化に寄与します。
たとえば、入社式や周年記念イベントなどの式典や、勉強会やブレストなど意見交換ができるイベント、BBQやゲーム大会などカジュアルなイベントなど、さまざまなイベントがあります。また、部門をシャッフルしたランチ会やワークショップなどは手軽に開催できるのでおすすめです。
こちらの記事でさまざまな社内イベントを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
コミュニケーションを取りやすいオフィス環境を整備することも、コミュニケーション不足の解決策となります。すぐにできるオフィス環境の見直しは、フリーアドレス制の導入や、カフェスペースの設置などが挙げられます。
フリーアドレス制とは、固定席を廃止して自由に席を選べる制度のことで、それまで席が遠くて話す機会の少なかった従業員同士のコミュニケーション促進が可能です。また、カフェスペースの設置により、休憩時間やランチタイムに社内のコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
非対面でもコミュニケーションが取りやすいように、コミュニケーションツールの導入もおすすめです。ビジネスチャットやビデオ会議ツールだけでなく、社内SNSや社内掲示板ツールなども導入すると、業務で直接的なやり取りがない従業員同士でも情報共有しやすくなります。
おすすめのコミュニケーションツールはこちらの記事にまとめているので、ぜひ参考にしてください。
チームワークアプリ「RECOG」は、社内コミュニケーションを活性化する機能が充実しています。
サンクスカード機能で、メンバーのサポートや成果などに対して感謝・称賛を贈ることができ、モチベーションの向上や職場環境の改善、社内連携の強化などの効果が期待できます。感謝・称賛を書いたレターを贈る際にポイントも付けられるという特徴もあります。
また、社内掲示板機能では、メンバーが自由に投稿することが可能です。たとえば、日報を投稿したり、ナレッジを共有したりするなど、自社に合わせた活用ができるというメリットがあります。
徹底した導入支援・運用支援により、スムーズな導入と確実な定着を目指せます。「ツールの乗り換えは初めて」という方でも安心して進められるよう、専任担当者が手厚く伴走します。
なお、詳細資料はこちらからダウンロードできるので、気になる方はぜひご活用ください。
コミュニケーション不足を引き起こす原因は「そもそも関わる機会が少ない」「職場の雰囲気」などさまざまですが、1on1ミーティングや社内イベントなどを取り入れることで解決できる可能性が高いでしょう。また、コミュニケーションツールの導入により、部門や役職を超えてコミュニケーションを取りやすくなります。
コミュニケーション不足は離職率や生産性に大きな影響を与えるため、自社に合った施策を講じて解決に臨んでください。シンクスマイルではコミュニケーション不足の解消に関するご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。