組織で働くうえで欠かせない「チームワーク」。チームワークに課題があると職場の雰囲気がギスギスし、従業員一人ひとりは高いスキルを持っているにもかかわらず、組織として思うような成果をあげられません。
本記事ではチームワークの定義・意味といった基本的なことから、向上のための方法・施策など実践的な内容まで解説します。チームの雰囲気や結束力に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
チームワークとは
普段何気なく口にする「チームワーク」ですが、チームワークの定義とは何でしょうか。言葉の意味・定義や、似た言葉との違いについて解説します。
チームワークの意味・定義
チームワークは「共同作業」と定義され、1つの目標に向かって複数人が協力・連携することをいいます。ビジネスにおいては主に、部門内や部門横断チーム、ときには協力会社を含めたプロジェクトチームなどでチームワークが求められます。
チームのメンバーが「各々の強みを発揮し、弱みを補完し合う」「異なる個性、価値観で相乗効果を生む」ことにより、一人では成し遂げられない高い目標を達成できるのがチームワークのメリットです。
「チーム」と「グループ」の違い
「チーム」と「グループ」は同じ「集団」という意味を持ちますが、厳密にいうと両者の定義は異なります。
チームの定義は「共通目標を持った集団」であり、一人ひとりの強みを活かし、互いに協力し合うのが特徴です。チームワークによって、個々のパフォーマンスや価値観が相互に作用し合い、大きな成果をもたらします。
一方、グループの定義は「同じ属性を持った集団」であり、共通目標や協力体制の有無は問われないため、相乗効果は生まれません。
チームワークを高めるメリット・効果
漠然と「チームワークは高い方がよい」というイメージがありますが、実際には組織にどのような効果をもたらすのでしょうか。チームワークのメリットや必要性・重要性について紹介します。
協力体制を築いて組織の生産性が向上する
チームワークを高めるメリットの1つは、組織の生産性向上です。
どれほど優秀な人材であっても、個人が持つ「時間」「能力」「経験」には限りがあります。時間に関しては、一人ですべての仕事を担うよりも、当然ながらチームで分担する方が作業効率は上がるでしょう。
また、能力や経験はその人固有であり、一人ひとり持っているものが異なります。各々が培ってきたスキルや知見を集結させ、チームワークを発揮することで、多角的な問題解決や、新たなイノベーションの創出につながります。
適した人材に仕事を割り振れる
苦手分野へのチャレンジは、個人のスキルアップにはもちろん必要です。しかし、組織として高い成果を出すためには、個々メンバーの強みを活かし補完し合い、チームワークを発揮しながら仕事を進めることが大切です。
チームには「リーダーシップを持つ人」「フォロワーシップを持つ人」のほか、「営業の知見が豊富な人」「高いマーケティングスキルを持つ人」「IT分野が得意な人」など、異なる特性・強みを持ったメンバーが集まっています。そのため、チームワークを発揮すると、個性を活かした適切な役割分担が可能になります。
高い目標を達成できる
チームワークの必要性は、目標達成の観点からも語ることができます。
チームには、メンバーの数だけ多様なスキルや知見、価値観が集まります。そのため、一人では突破口が見つからないような課題でも、メンバーが力を合わせると解決の糸口が見つかったり、これまでにない柔軟な発想が生まれたりする可能性もあるでしょう。これにより高い目標もクリアできるのが、チームワークのなせる業です。
また、困難な局面でも互いに励まし合い、フォローしながら業務を遂行できる点もチームワークのメリットです。
相乗効果が生まれる
多様な個性が作用し合って相乗効果が生まれるのも、チームワークならではのメリットでしょう。
異なる考えや価値観を持つ者同士が意見交換すると、思いもよらない着眼点や発想に刺激を受け、固定概念が覆ることがあります。それにより、おもしろいアイデアが生まれたり、アイデア同士を組み合わせてよりよい形にブラッシュアップできたりします。
また、チームワークが向上すると心理的安全性が高まるため、自由で忌憚のない発言ができ、建設的な話し合いが可能になるでしょう。
ノウハウを共有できスキルアップする
スキルアップの観点からも、チームワークの重要性は高まっています。
チームワークが高まっている状態では、おのずとコミュニケーションが活性化するため、「今どのような仕事をしているのか」「どのような困りごとがあるか」など、メンバーの状況を知る機会が増えるでしょう。
チームワークの定義は「共通目標の達成に向けて協力・連携すること」なので、チーム内で何か役立ちそうな知識や知見があれば、積極的にノウハウを共有するようになります。そのため、個々のスキルアップはもちろん、チーム全体のナレッジ蓄積も期待できます。
チームワークを高めるための方法
チームワークの重要性は理解しつつも、「どうすればチームワークが高まるのかわからない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。ここからは、チームワークを高める方法やポイントを解説します。
ビジョンを共有して浸透させる
チームワークの定義は「共通目標の達成に向けて協力・連携すること」であるため、チームワーク向上には、まずビジョンの共有が不可欠です。
ビジョンを設定する際は、メンバーの認識が揃うよう定性・定量の両方の指標を設定するとよいでしょう。
決定したビジョンは、経営層や上司、チームリーダーだけでなく、メンバー全員に共有します。高いチームワークを発揮するためには、全社朝礼や社内掲示板、社内報、そして打ち合わせの場など、さまざまなチャネルを通じてメンバーに浸透させることが大切です。
明確に役割分担をする
チームワークを発揮するうえで重要となるのが、明確な役割分担です。
役割分担が曖昧だと「自分のタスクだと思わず、作業していなかった」「自分のタスクだと勘違いし、○○さんと同じ作業をしていた」といった業務の漏れや重複のほか、「誰にこの仕事を依頼すべきかわからない」といった混乱が発生します。各々の役割分担を明確にすることで、これらのトラブルを防ぎ、効率的な業務推進が可能になります。
また、役割分担により一人ひとりに責任感が生まれ、さらにチームワークが高まる点もメリットです。
リーダーが率先する
チームワークを高めるうえで要となるのが、リーダーの働きです。リーダーはチームを常に俯瞰しながら、率先して動くことが大切です。日頃からメンバーと密にコミュニケーションを取り、「進捗は計画通りか」「フォローが必要なメンバーはいないか」「役割分担は適切か」など気を配りましょう。
もし、チームワークがうまく機能していないと判断した場合には、積極的に解決策を提案して改善に努めます。また、一人ひとりに合わせた助言を行ない、メンバーのパフォーマンスを引き出すこともリーダーの大切な役割です。
コミュニケーションを増やす
チームワークを高めるためには、メンバーがお互いを深く知る必要があります。性格や価値観、これまでのキャリア、スキルなどを知って初めて、互いの強みを活かし弱みを補完するチームワークが発揮できるからです。
そのためには、普段から意識的にコミュニケーションを取り、相互理解に努めることが重要です。業務に関わる報連相だけでなく、気軽に参加できるグループワークやランチミーティングなどを開催すると、業務中とは違った一面が垣間見え、メンバーに対する理解がより深まるでしょう。
情報共有やナレッジシェアの仕組みを整える
チームワークを発揮しやすいよう、情報・ナレッジの共有方法も整えておきましょう。
ビジネスチャットやグループウェア、社内SNSといったITツールの活用がおすすめですが、なかでも日報投稿や社内掲示板、チャットなど多機能を備えたツールであると便利です。
そのほか、対面またはオンラインで、ナレッジシェア会や勉強会を開催するのもよいでしょう。「情報共有・ナレッジシェア」そして「社内コミュニケーション活性化」の2つの観点から、チームワークの向上が期待できます。
チームワーク向上につながる施策
チームワークの定義やメリット、チームワーク向上の方法を確認したところで、ここからは具体的な施策を5つご紹介します。組織の結束にお悩みの方は、ぜひチームに適した方法を実践してみてください。
タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、従業員一人ひとりの能力・スキル(タレント)が最大限発揮されるよう、戦略的に人材を配置する人事管理の手法です。自身の能力やスキルを活かせる業務を担当するため、個々人が高いパフォーマンスを発揮できるのに加え、モチベーション高く仕事に取り組めるのがメリットです。
タレントマネジメントにより異なる得意分野を持つメンバーをアサインすると、多方面に強みを持つ、チームワークの高い組織編成が可能になります。
1on1ミーティング
「上司と部下が1対1で行なう面談」と定義されている1on1ミーティング。主に上司が聞き手となり、部下の仕事への想いや悩みなどを傾聴します。
部下の考えや意見にじっくりと耳を傾け、内面を深く知ることで「どのような考えや強みを持っているのか」「どのような環境でパフォーマンスを最大化できそうか」など、上司と部下のチームワーク、そして部門内のチームワークを高めるための理解が深まります。
1回あたり30分などの短時間であっても、月に1度または2か月に1度など定期的に実施すると効果的です。
メンター制度
若手従業員(メンティー)と先輩従業員(メンター)がペアとなり、若手従業員が仕事やキャリアプランなど、さまざまな悩みを相談する制度のことです。メンターとメンティーは同じ部門同士でも効果がありますが、異なる部門であれば新たなコミュニケーションのきっかけにもなります。
メンター制度は、若手従業員の育成の一環であるのはもちろんですが、面談で悩みや困りごとを聞き、業務のなかで先輩従業員が適切なサポート・アドバイスを行なうといった、チームワーク向上の狙いもあります。
グループワーク
チームワークを高めるために、グループワークを取り入れるのも有効です。メンバー同士がコミュニケーションを取りながら、1つの目標に向かって協力・連携できるワークが豊富にあるため、実践形式でチームワークを学べます。
例えば、チームで話し合って1つの答えを導き出すディスカッション型のゲーム「NASAゲーム」や、協力しながらA4用紙で高いタワーを作る「ペーパータワー」などがおすすめです。
グループワークはメンバーが楽しみながら一致団結できるため、ギスギスした雰囲気を改善し、チームワークを高めたいときに適しています。
サンクスカード制度
サンクスカード制度とは、紙のメッセージカードや、WEB・アプリなどを通じて、メンバー同士が「ありがとう」を伝え合う仕組みのことです。感謝し合うポジティブなコミュニケーションによって、チーム内の人間関係が円滑になるだけでなく、一人ひとりのモチベーションも向上します。
またWEB・アプリのサンクスカードの場合、メッセージの内容を全従業員に公開できるのが一般的です。普段あまり関わりのないメンバーであっても、他の人が送った感謝のメッセージを通じてその人の人柄や強みを知れるため、組織全体のチームワーク向上にも寄与できます。
サンクスカード制度に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
チームワーク強化にはチームワークアプリ「RECOG」
チームワークアプリ「RECOG」は、社内コミュニケーションを活性化する機能が充実しています。
サンクスカード機能で、メンバーのサポートや成果などに対して感謝・称賛を贈ることができ、モチベーションの向上や職場環境の改善、社内連携の強化などの効果が期待できます。感謝・称賛を書いたレターを贈る際にポイントも付けられるという特徴もあります。
また、社内掲示板機能では、メンバーが自由に投稿することが可能です。たとえば、日報を投稿したり、ナレッジを共有したりするなど、自社に合わせた活用ができるという点もメリットです。
徹底した導入支援・運用支援により、スムーズな導入と確実な定着を目指せます。
なお、詳細資料はこちらからダウンロードできるので、気になる方はぜひご活用ください。
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まとめ
企業やビジネスを取り巻く環境は年々複雑化しています。「目まぐるしい変化によって先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代」という定義で、2010年以降をVUCA時代と呼ぶこともあります。そんな複雑かつ激動な時代を企業が生き抜くためには、多様な人材が協力・連携し、相互に作用し合うチームワークが重要です。
チームワークの向上には、ビジョンの共有や明確な役割分担のほか、コミュニケーションの在り方を見直すことが必要です。「コミュニケーション自体を増やす」「コミュニケーションの質をポジティブなものに変える」、そのために「ツール導入を含めた仕組みを整える」などの方法で、チームワークの改善に取り組んでいきましょう。