業績悪化によるコスト削減を迫られた際、人件費を見直そうとする企業は多いものです。
なかでも、従業員のボーナスを減額することで経費削減を図るケースは多くあります。しかし、ボーナスを減らすことで、従業員のモチベーションが低下しないかどうか気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、ボーナスカットが従業員のモチベーションに与える影響を解説します。ボーナスカット以外の経費削減方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ボーナス(賞与)とは?法的な位置づけについて
ボーナス(賞与)とは、固定給にプラスで支払われる給与のことです。
労働基準法第11条では、賞与は賃金の一種であり、労働の対価であると定義されています。
第十一条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
また、同法第24条2項にて、臨時に支払われる賞与等は、一定の期日を定めて支払う必要はないとされています。
第二十四条
② 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
以上から、ボーナス(賞与)は賃金の一種ではあるものの、毎月固定で支払われる給与とは異なるものであると判断できます。また、法律上、企業にボーナスの支給義務はなく、支給の有無は労使間で個別に決まるものです。
ボーナス(賞与)の平均支給額とは?
厚生労働省の調査によると、2019年の夏のボーナス(賞与)の平均支給額は38万1,520円でした。同調査では企業規模ごとの平均支給額も算出されており、規模が大きくなるほど平均支給額も高くなる傾向があります。
なお、コロナの影響による業績悪化で、今後は平均支給額が減少していくのではないか、という予測も立てられています。
ボーナスカットによるモチベーションへの影響
物価高騰に配慮してボーナス支給額をアップする企業もある一方、コロナ禍による業績悪化や販売不振などにより、ボーナスカットを余儀なくされる企業も存在します。
実際のところ、ボーナスカットは従業員のモチベーションにどのような影響を与えるのでしょうか?
従業員のモチベーション低下は避けられない
ボーナスカットを実施した場合、従業員のモチベーション低下は避けられません。
ボーナスは固定給と比べて「がんばりに対する報酬」という側面が強いため、ボーナスが下がると「がんばりを認められていない」という感覚に陥る従業員が増えてしまいます。
また、すでにモチベーションが低下気味の従業員にとって、ボーナスカットはダメ押しの一手となる可能性があります。
エンゲージメントの低下により、離職率が上がる恐れも
ボーナスをカットすると会社への不信感が高まり、エンゲージメントや帰属意識が低下する恐れがあります。
その結果、転職を考える従業員が増え、離職率の上昇にもつながるでしょう。
ボーナスだけでなく、給与ダウンや人員削減などをあわせて行なう場合は、とくに注意が必要です。人員削減によって残りのメンバーの業務量が増加し、さらにモチベーションが下がるといった悪循環に陥るリスクもあります。
ボーナスカットではない方法で人件費を削減するには
ボーナスカットは従業員のモチベーションを低下させてしまうため、できる限り避けたいところ。
とはいえ、経営状況を考えて、コストカットをせざるを得ない企業も多いでしょう。
ここからは、ボーナスカット以外で人件費を削減する方法をご紹介します。
業務の効率化を図る
業務効率がアップすると、結果的に人件費の削減になるという考え方もあります。
たとえば、従業員一人あたりのパフォーマンスが向上すれば、就業時間内にタスクを完了できる可能性が高まります。すると、残業の頻度が減り、これまで支払っていた残業代を大きくコストカットできるでしょう。
交通費や交際費などのコストを整理する
固定人件費以外で、削減できるコストがないか探すことも大切です。
たとえば、テレワークの導入により交通費を削除したり、不要な接待を減らしたり。あらためて見直してみると、人件費以外にもコストカットできる部分がいくつか見つかるはずです。
採用活動を一度ストップし、今いる人材を活かす
どうしても人件費がネックになっている場合は、採用活動を一度ストップするという手段もあります。
適切な人材配置で、今いる人材を最大限活用する方向で考えてみましょう。人材配置の見直しは生産性の向上にもつながるため、相乗効果を期待できます。
外部のリソースを有効活用する
「人手が不足しているが、人件費は極力減らしたい」という場合は、アウトソーシングを有効活用しましょう。
業務の一部を外部に発注することで、人材確保のための採用コストや人件費を減らすことができます。
それでもボーナスカットを余儀なくされる場合…
どうしてもボーナスカットが必要な場合は、従業員のエンゲージメントを低下させないための工夫が必要です。
まずは、ボーナスカットの理由をきちんと周知するとともに、経営層が今後の施策について発信する場を設けましょう。経営者の言葉を直接従業員に伝えることで、エンゲージメントの低下をやわらげる効果が期待できます。
また、従業員同士のつながりや相互理解を深め、「この会社やチームに貢献したい」といった内発的動機づけを強化することも重要です。
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従業員のモチベーション低下につながるボーナスカットは、できる限り避けたいところ。
とはいえ、経営状況を鑑みてどうしてもボーナスカットが必要なときは、従業員のモチベーションが下がらないような工夫が必要です。
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まとめ
業績悪化や販売不振などによって、従業員のボーナスをカットするケースは少なくないでしょう。
しかし、ボーナスカットは従業員のモチベーション低下を招きます。エンゲージメントや帰属意識の低下により、離職率が上がる恐れもあるため、ボーナスカットは慎重に検討するべきです。
それでもボーナスカットを余儀なくされたときは、従業員のモチベーションが低下しないよう、さまざまな施策を実施しましょう。経営層が直接メッセージを発信したり、従業員同士のコミュニケーションを促進して帰属意識を高めることも大切です。
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