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チームビルドの意味や目的とは?組織へのメリットや手法・具体例も解説

チームビルドの意味や目的とは?組織へのメリットや手法・具体例も解説

公開日: 2023.12.15
更新日: 2023.12.15
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チームや組織で1つの目標に向かって業務を進める際は、できるだけ円滑に進めたいものです。
しかし、さまざまな人が集まる場では意見の相違やコミュニケーション不足などの問題が発生しやすくなります。
そこで行ないたいのが、組織づくりの手法「チームビルド」です。
 
本記事では、チームビルドの基本的な意味やチームビルディングとの違い、目的やメリットに加えて、リーダーが行なうべき研修やゲームなどを取り入れた具体例、注意点などを詳しく解説していきます。
 

チームビルドの意味とは?

 
チームビルドとは「チームを作ること」という意味で、ここで言う「チーム」とは、同じ目標を達成するために協力し合う組織やグループを指します。チームビルドは全員で共通する1つの目標に向かって達成するために、組織を構成するすべての人を対象に行なう組織づくりを意味します。なお、チームビルドは「チームビルディング」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。
 
人が集まる組織では、一人ひとり異なる能力やスキルを活かす必要があります。そこでチームビルドでは組織の一員として個人が最大のパフォーマンスを発揮できるような体制をつくり、強い組織を作ることで目標達成を目指します。
 
チームビルドと似た言葉として、「チームワーク」があります。チームワークが組織の従業員が協力し合う意識を持ち、課題の解決を目標にしていることにとどまるのに対し、チームビルドは個々の従業員が能力やスキルを発揮し、主体性を持って目標に向かって取り組める体制づくりという点に違いがあります。
 

チームビルドを行なう目的とは?

 
なぜ、企業内でチームビルドを行なう必要があるのでしょうか。その目的は、主に以下の3つが挙げられます。
 

従業員一人ひとりの能力・スキルの向上

チームビルドには、コミュニケーション能力や従業員同士を信頼するスキル、長所や特技を伸ばして活かすスキルなど、さまざまな能力やスキルが求められます。チームビルドを行なうことで、従業員一人ひとりが持つ能力やスキル向上が期待できます。
 
また、チーム内の従業員同士でのコミュニケーションが活発化することで、他者から刺激をもらって自分自身をより向上させようとする意欲も高まり、その結果組織全体のパフォーマンスも向上するでしょう。
 

組織の結束力の強化

従業員同士で目標がうまく共有できていなかったり、コミュニケーションが取れていなかったりすると、一人ひとりの業務が円滑に進みにくく、目標達成を阻害してしまいます。
チームビルドでは、組織内の従業員が同じ目標を共有し、活発にコミュニケーションを行なえる組織づくりを行います。
関係性が向上することで、チーム全体での機能を高められます。さらにコミュニケーションがスムーズに進むことで自分自身の役割や能力にとどまらず、新たな意見やアイディアが出やすい環境になるため、組織内での結束力強化が期待できます。
 

目標達成率の向上

チームビルドを行なったチームでは、組織としての明確な共通目標が設定されることで、従業員が目標を意識しながら能動的に動きます。
チーム内に同じ目標に向かう従業員がいると、個々が自分の役割を認識して具体的に動くことが可能となります。円滑にコミュニケーションが取れているチーム内での結束も深まりやすいので、モチベーションアップとともに目標達成率向上も期待できるでしょう。
 

チームビルドを行なうメリット

 
チームビルドは、前述したようにいくつかの目的を持って行なわれるものです。
チームビルドを行なうことによって、さまざまなメリットが期待できます。
 
具体的にどのようなメリットが得られるのか、4つのメリットについて解説します。
 

組織・会社の方向性や目的ビジョンの共有ができる

チームビルドで得られるメリットは、組織や会社で同じ目的や方向性、ビジョンを浸透して共有できることです。チームビルドは、チームやプロジェクトを立ち上げる際に導入されることが多いので、新たなチームでこれからどのように業務を進めればいいのか、ビジョンを共有して正しい方向性を定めるためにも有効な手段です。
 
新しいチームでチームビルドを行なうことで最初からビジョンを共有できれば、その後のチーム内での業務もスムーズに進むでしょう。
 

従業員の仕事への貢献意欲が高まる

チーム内で一人ひとりの役割を明確にした上で1つの目標に向かってすべての従業員が取り組むことによって、チーム内で一体感が生まれます。
チームビルドを行なって自分の役割がはっきりすると達成感を感じやすくなり、よりチームに「貢献したい」という気持ちが高まるでしょう。
従業員の間で高いモチベーションを持って取り組むべき業務を遂行していくうちに、仕事に対する貢献意欲が高まることもチームビルドのメリットの1つです。
 

組織全体の生産性が向上する

チームビルドで目標を明確にすると、その目標に向かって従業員が能動的に動き、前述のように貢献意欲が高まる期待ができます。
すべての従業員が「もっと貢献したい」と考えるようになれば、モチベーションがさらに向上する好循環になるので、おのずと組織全体での生産性向上も期待できます。
また、ここまで解説したビジョンの共有や貢献意欲の高まりによってモチベーションが高まり、個々の従業員の能力やスキルが高まることも、生産性向上につながるポイントとなります。
 

従業員から意見やアイデアが活発に出る

当然ながら、チーム内の従業員は一人ひとり異なる能力や考えを持っていますが、チームビルドで目標やビジョンなどを共有すれば従業員同士でのビジョンが生まれやすくなります。そのようなチーム内で1つの目標に向かって動く従業員はお互いに意見の交換や知識・ノウハウの共有がしやすくなるので、良好なコミュニケーションの元で業務もスムーズに進めやすくなります。
 
コミュニケーションが円滑なチーム内では、在籍する従業員すべての意見や考えをまとめたり意見を聞いたりできる環境となり、気兼ねなく新たな意見やアイデアも出し合いやすくなるでしょう。
場合によっては、その中から斬新で効果的なアイデアが生まれる可能性も期待できます。
 

チームビルドを行なう5段階プロセス

 
チームビルドを行なう際は、チームビルドを考える上でモデルとして一般的である「タックマンモデル」を元に、5段階のプロセスを踏みます。
 
タックマンモデルとは心理学者のブルース.W.タックマンが提唱した、組織の理想的な成長段階を示すモデルです。
このモデルで示された5つのステップを経ることにより、組織が成長して目標達成、または期待以上の効果が得られるでしょう。
 

1.形成期

チームができて間もない「形成期」は、まだチーム内の従業員も他の従業員についてよく理解できておらず、緊張感がある時期です。そのため共有できる目標や価値観も定まってはいません。お互いの様子を見ながら、遠慮しつつ探っている状況です。
また、チームの目標も明確ではありません。
 
形成期では、まず従業員が目標を明確にすること、目標達成後のイメージの共有が求められます。そのためには、チームのリーダーとなる従業員が率先して目標や従業員の役割を定めることが必要です。
また、チーム内のコミュニケーションを活発化する目的でミーティングや交流会を開催することもあります。
 

2.混乱期

「混乱期」は、チームが始動して動き出した時期です。業務が始まると、従業員同士で意見や仕事の進め方などの違いが明確化し、個々の主張がぶつかり合いやすくなります。従業員間で対立や衝突が発生し、軋轢が生じることもあるため、チーム内での混乱も起こりやすくなります。
 
この時期に形成期のように交流会などを開催しても、表面的なコミュニケーションを活発化させるだけで混乱を防ぐことは難しいでしょう。混乱期から次の段階へ進むためには、リーダーが指揮を取ってチームでじっくりと話し合うことが重要です。
 

3.統一期

従業員同士での衝突や考えの違いなどが発生し、チームがまとまらなかった混乱期を乗り越えた後の「統一期」は、チーム全員がお互いの意見や考え方、役割などを理解・共有し、団結力が高まっている時期です。この段階になると、チーム内の従業員は異なる意見や考えも柔軟に受け入れて解決できるようになっています。
 
統一期ではチーム全員がすべて同じ目標に向かっているはずですが、場合によってはその目標が正しい方向ではない場合があります。
もし誤った目標を認識している従業員がいた場合には、きちんと軌道修正をして正しい方向へ導くことも、チームのリーダーがこの時期に行なうべきことです。
 

4.機能期

「機能期」は、チームの従業員が一人ひとりが自分の役割を認識した上で、個々の能力を発揮して役割を果たせるようになる時期です。機能期には1つの目標に向かってチーム全員が能動的に動けるようになっているので団結力が高く、従業員同士がお互いを認め合いながら業務を進められるため、成果を出しやすい時期といえます。
 
統一期では方向修正やアドバイスなどを行なう役割はリーダーでしたが、機能期では従業員それぞれが自立してその役割を果たせるようになっています。そしてリーダーは、チームの機能期を持続させられるように従業員のリフレッシュを促すなど従業員を後方支援するサポート役となります。
 

5.散会期

チームの目標が達成された場合、またはチームで取り組んでいたプロジェクトが終了した場合はチームが解散となります。この時期になるとリーダーがするべきことはほぼなく、従業員一人ひとりがチームで得た能力やスキルを活かして次の業務へ移ります。
 
散会期に必ずするべきことは特にないものの、従業員へのフィードバックを行なったり、これまでの業績を振り返ったりすることがあります。従業員同士で称賛し合ったり、これまでの業務をねぎらったりする解散を惜しむような様子がみられれば、チームビルドが成功したと判断できるでしょう。
 

チームビルドを行なったほうが良い組織とは?

 
生産性の低下や目標達成に苦戦している組織は、チームビルドを行なうべきです。
チームがうまく動いていない状態では従業員が目標を見失いやすく、一人ひとりが異なる方向を向いてしまいかねません。
目標を設定していたとしても、そのような状態では目標達成は困難で、効率性も低くなってしまうため生産性の低下にもつながるでしょう。
 
従業員同士のコミュニケーションがうまくいっていない、不足している組織も、チームビルドを行なうべきです。
チームはコミュニケーションを通してお互いを尊重し、さらに意見や考えを出してそれらの内容について理解し合い、目標やビジョンも共有します。コミュニケーションが不足している組織では意思の疎通がうまくいかなくなり、お互いの理解もできない状態となるため信頼関係も築けなくなってしまいます。
チームビルドを行なうことでコミュニケーションを活発にすれば、意見や考えを言い合える環境で相互理解が深まり、信頼度も高まる期待ができます。
 
そして、協力性がない組織もチームビルドを行なった方がいいでしょう。チームは1つの目標に向かって在籍する全員が取り組む組織なので、協力性は必要不可欠です。
チーム内で協力性が不足していると衝突や対立が起こりやすく、チームもまとまりません。すると、当然ながら目標達成も難しくなるでしょう。
そこでチームビルドを行なうと従業員同士の関係性が向上し、協力し合える環境に改善ができるでしょう。
 

チームビルドの方法・手法

 
チームビルドを行なうには、複数の方法や手法があります。
どのような方法があるのか、主な3種類の方法・手法と具体例を解説します。
 

1on1の実施

まず、チームビルドでは上司と部下がマンツーマンで行なうミーティング「1on1」を定期的に実施します。
チームのリーダーとなる上司とのミーティングで、従業員はチームの業務や目標、他の従業員との関係などを話すことで意見を伝えられます。リーダーは1on1で従業員が考えていることや意見などを汲み上げることで、チームの風通しを良くできるでしょう。
 

研修・セミナーの実施

チームで研修やセミナーを実施するのも、チームビルドの手法の1つです。
特にチーム内でのコミュニケーションが不足しがちな混乱期は衝突や対立が起こりやすいので、研修やセミナーでチーム内の従業員同士で意見交換を行なうことでチームワークを高められ、信頼関係を築いて一体感を強める効果が期待できます。研修やセミナーにはさまざまな種類があり、研修期間も1日で完了するものから数日かけて行なうものまでさまざまです。
 
具体的な例には、以下のようなものがあります。
 
・研修・ワークショップ
チームビルドの研修では、座学で知識を学ぶことに加えてアウトプットのために複数人で双方向で意見を出し合うなどのロールプレイングやディスカッションが一般的です。
 
また、チーム全員が対面できない場合はオンラインでの研修やワークショップの実施も可能です。オンラインでチャットを使用するタイプのほか、eラーニングを利用したコンテンツを学習するなどの方法があります。
 
・合宿
合宿タイプの研修は複数日にわたって宿泊を伴うものとなり、社員旅行と兼ねる場合もあります。
費用がかかることやスケジュール調整が難しいなどデメリットがありますが、期間中チームで共に行動することとなるため、結束力や相互理解を高めるのに最適です。
合宿中に研修やワークショップを実施することもあれば、後述するゲームやイベントを取り入れるとより効果的でしょう。
 

ゲーム・イベントの実施

ゲームやイベントの実施は、楽しみながら取り組めるチームビルドの手法として多く取り入れられています。例として、以下に挙げるゲームやイベントがチームビルドに用いられています。
 
・Where I’m from ポエム
「私は◯◯から来ました」というテンプレートを使用し、自分の趣味や家族について、価値観やパーソナリティなどに関する複数の文章を作成して発表するゲームです。
通常の自己紹介よりもその人の考えていることや人生観などについて理解を深められます。
 
・WIND&ANCHOR
船を前に進める風(Wind)と船の進行を妨げる錨(Anchor)という意味を持つゲームで、自分をポジティブにするもの、ネガティブにするものをそれぞれ書き出して発表します。ポジティブとネガティブに色分けした付箋などに書き出して貼り出し、一人ひとりの付箋の内容を発表することによってチームの従業員がどのような要素でポジティブ、またはネガティブになるのかを把握しやすくなります。
 

チームビルドを行なう際のポイントと注意点

 
チームビルドを行なう際は、方法を誤ると逆効果になってしまう可能性があります。
チームビルドを成功させるには、以下のポイントと注意点を押さえておきましょう。
 

自主性や自律性を尊重する

チームの目標を達成するためには、従業員全員の能力を最大限発揮してもらう必要があります。そのためには、一人ひとりの自主性、自律性をチームで尊重することが大切です。
だからといって業務を丸投げするのではなく、自主性、自律性を尊重しながら業務の重要性をきちんと説明して取り組んでもらうことで、チームにおける自分の必要性を認識して能動的に業務に取り組んでもらえます。
 

多様性を認める

チームには、一人ひとり異なる人が集まっています。チームのすべての従業員は同じ目標を持って業務に取り組む必要はありますが、すべてにおいて「右へならえ」ではありません。異なる意見や価値観、考え方を無理やり矯正するのではなく、多様性を認めて受け入れましょう。
多様性を認めることも相互理解につながり、チーム内での結束が高まる期待ができます。
従業員一人ひとりの役割を明確にする
チームで成果を出すには、異なる考えやスキルを持つ従業員一人ひとりの役割を明確にすることも必要です。チームで役割を具体的にすることで従業員は動きやすくなり、成果を出しやすくなります。
また、能動的に動いてもらいやすくなる効果も期待できるので、より目標達成が近くなるでしょう。
 

コミュニケーションをとる

コミュニケーションは、チームビルドの基本です。従業員同士で円滑にコミュニケーションを取ることはもちろん、リーダーから指示をする際もただ指示するだけではなく「なぜこの業務を依頼するのか」などを丁寧に説明するように心がけましょう。
 

まとめ

異なる人が集まる組織では、組織づくりの良し悪しによって目標達成度や成果が大きく変わってきます。組織づくりに失敗してしまうと、チーム内のコミュニケーションがうまくいかなくなるばかりか期待した成果も出ないでしょう。チームビルドで組織づくりを行なうと、従業員一人ひとりの意見や考えを尊重した上で能力やスキルを最大限に発揮できる環境になり、高い成果を挙げられるでしょう。
 
チームや組織で最大限の成果を上げるなら、チームビルドを実施してみることをおすすめします。
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