「モチベーションがなかなか上がらず仕事が進まない」
「どうしてもモチベーションが長続きしない」
こうした悩みを持っているビジネスパーソンは少なくありません。
しかしその一方で、常に高いモチベーションを維持しながらバリバリ仕事をこなす方もいます。
この違いは一体何なのでしょうか。
本記事では、ビジネスにおけるモチベーションを向上させる方法と、それを維持するためのコツについて解説していきます。
さらに、
「社員のやる気を引き出すコツが知りたい」
「離職率を減らしたい」
といった経営におけるモチベーションについても詳しくご紹介していきます。
モチベーションについて正しい知識を得ることで、今後の仕事への向き合い方は良い意味で全く違うものになるかもしれません。
モチベーションとは?意味について
まずはモチベーションについての基本的な知識について見ていきましょう。
モチベーションという言葉は日々の生活の中でよく耳にしますが、それが一体どういうものかについて深く考える機会はそう多くはありません。
一般的には「やりがい」「やる気」「意欲」という意味合いで使用されることが多い単語ですが、本来の意味を理解することでその正体を垣間見ることができます。
モチベーションという単語は、英語表記にすると「motivation」。
この単語は「motive(動機、目標)」と「action(行動)」に由来します。
「motivation」も「motive」も、ラテン語動詞「movere」が語源となっています。
「movere」は、「move」の語源でもあり、目標や目的のためになにかを「動かす」ことを指します。
つまり、motivationは「目標(目的)を目指した行動」=「動機付け」を意味するということです。
※動機付けとは、目標に向かって行動を起こさせ、持続させるための過程もしくは機能のことを指す心理学用語
モチベーションの対象は、勉強であったり、恋愛であったり、明日のスケジュールであったりとさまざまです。
しかし、ことビジネスシーンにおけるモチベーションは「組織における業務意欲」を指すのが一般的です。
これらを踏まえたうえで改めてモチベーションとは何なのかということを考えたとき、モチベーションとは”仕事への情熱を燃やすために必要な原動力”と言い換えることができるでしょう。
モチベーションは2種類に分かれる
モチベーションは日常生活の中で使われる場合とビジネスシーンとではその対象に違いがあると説明しましたが、実はビジネスシーンに限定した場合でも大きく分けて
・外発的動機付け
・内発的動機付け
の2パターンが存在します。
これらのパターンは、モチベーション維持・向上のためには必ず知っておきたい違いです。
どういった違いがあるでしょうか。
外発的動機付け
一つ目は「外発的動機付け」です。
外発的動機付けとは、賞与や資格、目標達成などの外部から得られる報酬のために行動している状態のことを指します。
【外発的動機付けの例】
・プロジェクトの成功報酬として金銭が貰える
・商談が失敗すると賞与に影響する
報酬などの外発的報酬を得るために仕事へのモチベーションを上げることもあれば、罰を受けることへの不安や評価が下がることへの恐れからモチベーションを上げることもあります。
外発的動機付けの利点:ゴールが明確なため、短期間で行動の変化がみられる=即効性がある
外発的動機付けの欠点: 目標達成や報酬への慣れによって持続性が弱くなる=一時的である
また、元々は内発的動機付けによって行なわれていたことに対して評価や報酬を与えることで、アンダーマイニング効果を引き起こしてしまう可能性もあります。
内発的動機付け
二つ目は「内発的動機付け」です。
外発的動機付けが外部の要因に基づくものであるのに対し、内発的動機付けは自分自身の興味関心などが動機となり行動している状態のことを指します。
【内発的動機付けの例】
・社会貢献がしたいから仕事を頑張る
・共に働く仲間のために目標を達成したい
つまり、特に報酬などがなくても「やりたい」という自分自身の欲求からモチベーションや行動が生まれているということです。
「この会社で働くことで世の中に貢献できる」という働く意義や、「このメンバーでプロジェクトを成功させたい」という仲間意識が高ければ高いほど、内発的動機付けによるモチベーション向上を見込むことができます。
そのため、企業が社員のモチベーション向上を図る場合は、外発的動機付けよりも内発的動機付けを重視する必要があります。
しかし、外発的動機付けとは違って内発的動機付けは具体的にこれをすればOKという例はなく、実際に動機付けを行なっても反応には個人差があります。
内発的動機付けの利点:自身の欲求から自然とやる気が湧き出ている=持続性がある
内発的動機付けの欠点:企業や仕事への興味・関心に左右される=外的制御が困難である
外発的動機付けよりも内発的動機付けのほうが重要ではありますが、内発的動機付けのために外発的動機付けを行なうという方法もあります。
例えば企業や業務に対してやる気ややりがいを感じていない社員に、金銭のインセンティブを設けます。すると社員は、その報酬のためにやってみようという気持ちになり、その過程で業務へのやりがいや企業への愛着(=内発的動機付け)が芽生えることもあります。
モチベーションが向上したときの利点・低下したときの欠点
モチベーションが高い=良いこと(仕事に好影響)
モチベーションが低い=悪いこと(仕事に悪影響)
という一般的な認識はあっても、モチベーションの良し悪しが仕事にどういった影響を及ぼすのかという具体例を説明することができる人はそう多くはありません。
では、モチベーションの高低による利点・欠点にはどのようなものがあるのでしょうか。
モチベーションが向上したときの利点
・各々が意欲的に業務にあたるため成果が向上する
・同じ目標に向かいやすくなるため、士気が高まり関係性も良好になる
・よりよいアウトプットを求めるため、クオリティが向上する
・組織へのエンゲージメントが向上し、離職率が低下する
社員ひとりひとりのモチベーションが高い状態だと、一丸となって意欲的に業務へ取り組むことができ、その結果として生産性がアップします。
モチベーションが低下したときの欠点
・業務に対して頑張る動機がないため、生産性が低下する
・業務における目標が明確に持てないため、業務や組織への興味関心がなくなる
・アウトプットのクオリティ向上が求められず、業務の質が低下する
・組織へのエンゲージメントが低いため、離職率が高まる
・全体的に活気がなく、目標達成に向けたアクションが取りにくくなる
モチベーションが低いと、業務に意欲を持たず活気もありません。そもそも業務への興味や関心が薄いため、改善しようという意識が生まれづらい状態です。
モチベーションが高いと、間違いなく仕事へ良い影響を与えます。
しかしひとつ注意したいのは、モチベーションの高さに個人差が生じてしまう場合もあるということです。
企業はひとつのチームであり、足並みを揃えることが重要。
企業全体のモチベーションが高い状態であっても、その中にモチベーションが低い人がいれば、少なからず悪影響を与えてしまうでしょう。
逆に、非常に高いモチベーションを持つ人がいることによって、同じように意欲的になれない自分と比較して、モチベーションを上げることを諦めてしまう人もいるかもしれません。
そういった差が起きないように、日ごろから意識のすり合わせを行なうということが非常に大切です。
モチベーションが高い社員・低い社員の特徴
モチベーションは可視化できるものではないので、モチベーションの高さを客観的に判断するということは簡単ではありません。
しかし、例えば管理職であればモチベーションが低い人に対して、モチベーション向上のためのアプローチを仕掛ける必要があります。
そのためには、モチベーションの高低を見抜く力が必要になってきます。
下記の特徴を抑え、モチベーションの管理に役立てましょう。
モチベーションが高い社員の特徴
・短時間で高品質なアウトプットが生まれる、生産性が高い状態
・自分の業務だけでなく、仲間意識をもって組織全体のことを考え行動ができる状態
・業務をただこなすだけではなく、より良いものを求めて自ら創意工夫ができる状態
モチベーションが高いときは仕事に対して意欲的になっている状態なので、管理者目線でも判断はし易いでしょう。
失敗を恐れずにどんどんチャレンジしている様子であったり、チームのことを考えて行動している様子であったり、さまざまなシーンで感じ取ることができるはずです。
モチベーションが低い社員の特徴
・業務を遂行するにあたって必要以上に時間がかかり、生産性が低い状態
・組織全体や仲間への視点等が無く、自分の担当業務以外に対して消極的な状態
・創意工夫などはなく、ルーティンワークを好む状態
モチベーションが高い場合に比べ、モチベーションが低いと判断する場合は非常に判断が難しくなります。
モチベーションの低さを客観的に判断する場合、目安となるのは生産性です。
単純に仕事をこなす量が少なかったり、自分の業務さえ片づけばいいというような状態の社員がいれば、モチベーション向上のためのアプローチが必要になってきます。
これらの特徴を踏まえたうえで分かるのは、一緒に働く部下や仲間のことを普段からよく知っておくことが大切だということ。
普段の様子を知っていれば、急激なモチベーションのUP・DOWNに気づきやすくなります。
そのため、モチベーション管理には日頃からのコミュニケーションが必要不可欠だと言えるでしょう。
社員のモチベーションが低下する原因とは
自身や仲間のモチベーション低下に気づくことができても、そこからモチベーションを上げることは容易ではありません。
では、そもそもモチベーションが下がってしまう要因とは何でしょうか。
モチベーションは心理状況に大きく左右されるものであるため、要因は仕事におけるものだけではなく、人間関係による影響やプライベートな事情などいくつも考えられます。
ここでは仕事においてモチベーションが低下する要因の一部についてご紹介します。
・組織における今後のビジョンが見えない
「この会社にずっと務めていていいのだろうか」「この会社に未来はあるのか」といった疑問を抱くと、途端に組織の魅力は低くなります。
また、昇進や昇給が見込めないなど、組織における自分の立場に対する不安によってモチベーションが低下してしまう場合もあります。
解決策:組織のビジョンを明確にし、社員と共有することで内発的動機づけを行なう
・業務への興味関心が薄れ、つまらないと感じている
入社当時は興味関心が高い状態であっても、仕事への慣れが生じることでモチベーションが下がってしまうということはよく起こります。
仕事が単なる「作業」になってしまうと、それ以上の生産性はまず見込めません。
また、やりがいを失った人は退職という選択肢をとることも少なくないでしょう。
解決策:新たなチャレンジを与えて業務のマンネリ化を解消する、面談などを通して業務への姿勢を見直す機会を設ける
・組織カルチャーと合わず、人間関係に疲れた場合
人間関係などの職場環境はモチベーションに大きな影響を与えます。
いくら仕事に対する意欲を持っていても、それを阻害するような環境に身を置かなければならない状況であれば生産性が低下するのは当然のこと。
仲間意識が薄れれば、生産性やクオリティも低下の一途をたどることになるでしょう。
解決策:相談窓口を設ける、職場環境のストレスについて把握できるツールを導入する
社員のモチベーションを維持する方法4つ
モチベーションの向上よりも難しいのは、それを維持するということ。
モチベーションを維持するためには何か施策を講じなければいけません。
賞与を与えたり仕事内容を褒めたりすることは一時的なモチベーションの維持にはなっても、持続性はあまり高くありません。
根本からモチベーションを高く維持するためには、社員にとって魅力的な企業である必要があります。
しかし、魅力的な会社と一口に言っても、捉え方や感じ方は人それぞれ。
そのため、本記事では社会心理学の考えに基づいた「社員が会社に対して魅力を感じる4つのポイント」をベースとして考えていきます。
これら4つの要素が満たされるとき、人はその企業を魅力的に感じ、仕事へのモチベーションが高まるとされています。
1.目標の魅力
企業がこれまで培ってきた業績や世間に対するイメージは、多くの社員が重要視しています。
そういった企業の歴史に加え、市場において成長が見込めるか、安定性があるかどうかといった将来のビジョンは企業の魅力そのものに繋がります。
逆に企業の未来に不安を感じている場合、魅力はどんどんと低下していくでしょう。
つまり、企業として重要視すべきは長期的な安定性、事業成長における将来性の2点。
これらはトレードオフの関係になりやすいものではありますが、企業として目指すべき姿でもあります。
そしてこれらを叶えるためのビジョンを明確にしたうえで社員と共有し、同じゴールへ向かって進んでいける環境が必要です。
2.活動の魅力
企業に魅力を感じていても、実際に自身が携わる直接的な業務への興味関心がなければモチベーションは長続きしません。
とは言え、企業に勤める期間が長ければ長いほど新たな発見や創作意欲などは薄れ、業務に対するマンネリ化は増加していく一方。
そこで必要なのが、「成長」を実感する機会を設けるということです。
すでにマンネリ化してしまった業務に対して成長を実感する機会を与えるのは困難ですが、その業務とは別に新たな可能性を見出すことはできます。
新たなチャレンジによって成功体験を重ねることは、本来の業務に対する意識・意欲を改革するきっかけになります。
また、これまで気付けなかった個性や能力を生かすことができるステージの発見にもなるでしょう。
3.風土の魅力
業務内容と同等以上に注力すべきが、職場における人間関係です。
学校は社会の縮図と言われますが、会社もまた社会の縮図。その中には様々な人間模様があります。
上司部下のパワーハラスメントや仕事仲間のトラブルなど、人間関係はモチベーションに直結する要因のひとつです。
一般的に1日のうち約3割もの時間を労働に費やす私たち日本人にとって、その時間を快適に過ごすことができるかどうかは非常に大切なポイントです。
上司や部下、同僚と良好な人間関係を築くためには、日々のコミュニケーションが不可欠。
その中でも特に「認め合う」「称賛し合う」という行動によって、お互いの魅力を引き出し合う関係が理想です。
年齢や地位にとらわれずお互いを尊重することができる環境であれば、組織はひとつのチームとして目標に邁進することができるでしょう。
4.条件の魅力
就職活動の際に最も重要視されるのは、その企業における給与・労働環境・保障・待遇などの条件です。
近年の傾向を見ると、若年層はプライベートの充実度に重きを置く一方で、仕事に対するやりがいと自由性を求めています。
つまり自身の能力を生かすことができる仕事に携わり、自由裁量で働きたいという願望があるということです。
あくまでこれは理想論ですが、企業として「長時間労働を強いらない」「休暇取得制度を見直す」などの努力は必要かもしれません。
2019年に施行された働き方改革は「働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革」であると厚生労働省が定めています。
給与などの待遇や、施設などの環境面において充実感・満足感があると思える企業であり続けることは、社員のモチベーション維持にとって非常に重要な軸と言えるでしょう。
「RECOG」なら"褒める"コミュニケーションで組織の課題を解決!
モチベーション管理にはコミュニケーションを通して、その人の人柄や何に対して興味を抱くのかなどの情報が必要です。
しかし、毎日一緒に働いている仲間であっても、これらを把握することは中々難しいでしょう。
そこで、弊社が提供するコミュニケーションツール『RECOG』をご紹介します。
RECOGは社内SNSとしてはもちろんのこと、共に働く仲間のことを知る手助けとなるツールです。
情報の提供・共有だけではなく、褒めるという称賛行動を通して意識や意見の共有もすることができます。
RECOGでできること
・褒めることでより良い人間関係を築き、組織の課題を解決へ導く
組織が抱える課題にはさまざまな種類がありますが、中には人間関係を深めることで解決するものも多くあります。
人間関係が希薄なせいで仕事に対する意識が共有できなかったり、そもそも関わりたくないと思われてしまったりするような悪い環境であればモチベーションの向上は望めません。
RECOGはコミュニケーションツールだとご紹介しましたが、さらに言えば「褒める」ための称賛ツールです。
褒めるという行為は日々の中では意外に忘れがちで、意識しなければ感謝の気持ちを伝えられないということは多々あります。
しかしRECOGであれば、例え小さな出来事でも「手軽に」「伝えたいと思ったその時に」「誰にでも」気持ちを届けることができます。
褒めるという行為を通してお互いの理解を深めて信頼関係を築くことができれば、そもそも人間関係に関する問題が生まれづらくなり、例え問題が発生しても解決しやすい環境になるでしょう。
・RECOG最大の魅力レター機能で気軽に褒め活
RECOGに備わっているレター機能は、単純に従来の紙媒体のサンクスカードをデジタル化したものというだけではなく、多くの付加価値を備えています。
例えばレターは個人から個人へ送る1対1のものですが、その内容は誰でも常時閲覧することができる状態となっています。
誰かが褒め合う姿を見ることは、自分も褒めよう・褒めたいという気持ちに繋がるという利点があり、自分が直接関わっていない出来事からでもその誰かを理解するきっかけになることもあります。
また、自身が受け取ったレターや他者のレターにリアクションができる機能が備わっているので、手軽に反応できるのも魅力のひとつです。
一見単純そうに見える褒めるという行為ですが、実際に意識してアクションを起こすのはなかなかハードルが高いものです。
そんな時、RECOGがあれば「褒めたい」と感じた大切な気持ちを手軽に贈ることができます。
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モチベーションは可視化や数値化がしづらく、客観的な判断も難しいものです。
しかし、社員や企業の成長において無くてはならないものでもあります。
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とくに管理職の立場であれば、部下のモチベーション管理はマネジメントにおいて考えざるを得ない課題でしょう。
モチベーションは非常に曖昧な概念ですが、それでも「この人はこうすればモチベーションが上がる」というモチベーションの傾向はあります。
この傾向は人によって異なりますが、そもそもの性格を知らなければその糸口を掴むことさえ難しいでしょう。
称賛を通じて人となりを知ることができれば、モチベーション管理の手助けになることは間違いありません。
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無料トライアルもございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。